栄養が大事だったのだ
フロリダから帰ると、ものすごい寒さだった。日中でもマイナスで、夕方ようやくプラスになる。ポポコの水は4センチくらいの厚さの氷になっている。旅行に行く時、暖房を切っていったので、家の中は冷蔵庫のように冷え切っていた。(温度を低めに設定してつけていけばいいのかもしれないけれど、火事にでもなったら困るもんね)着いたのが真夜中だったので、部屋が暖まるまで待てずに、トレーナーと靴下で防備して、これまた冷えきった布団にもぐり込んだのである。おとうは翌日出社の予定だったので風呂に入ったが、一番熱い湯を張っても、暖かいお風呂にはならなかったそうな。バスタブが氷のようになっていたのだからしかたあるまい。
それにしても、こういう旅行は1週間が限界である。「こういう」というのは、この場合、主に食事の状態を指す。フロリダについた日とシーワールド、ユニバーサルスタジオへ行った日、この3日間は夕食にちゃんとした(?)レストランに行った。しかし、ディズニーワールドではパーク・ホッパーというチケットの元を取ろうとしただけではなく、夜までミモノがあったために、ピザやらホットドッグが夕飯だったのだ。もちろん昼も同じような内容で、ホテルでの朝食も含めて、満足に野菜が取れなかった。こっちの人は、普段からその程度の食事にもかかわらず、体力には事欠かないので、私は密かに光合成にも似たシステムを体に備え持っているんじゃないかと疑っている。
野菜不足で最も恐れる事は便秘であろうか。幸いなことに、繊維不足を補うに余るほど歩き回ったので、便秘に苦しむ事はなかったけれど、家に戻って4日も経つというのに、いまだに体調不良なのだ。何がわるいかというと、まず、肌荒れ。がさがさになるし、吹き出物はできたし、ファンデーションも塗れないのよ。それから、唇の端が痛い。おとうは「食いすぎ!」というのだけれど、決して食べ過ぎていなかったノンも同じ症状だ。肩凝りや疲れが取れないのも、長時間の旅行という事だけが原因ではないと思う。ワシントンに行った時は、今回よりも遠かったにもかかわらず、こういう症状は出なかったのだから。ワシントンの時と何が違うかって言えば、夕食に他ならない。何を隠そう、ワシントンでは中華のファーストフードに日参していたのだ。
ディズニーワールドでは、野菜サラダがあるくらいで、確かにサラダを食べている人も見掛けた。が、我が家の場合、家族がテーブルを確保するのと食事を運ぶのに分かれて行動する。食事を運ぶのは6人分となると結構大変で、サラダのようにデカイものはなかなか買えない。とにかく混んでいる時期なので、贅沢は言ってられないという事で、ホットドッグやらピザになってしまったのである。(そういえば、ユニバーサルスタジオには中華のファーストフードがあったっけ。家に帰ってから焼きソバやらお好み焼きを作るたびにこーゆーのがディズニーワールドにあるといいのに!と何度も思った次第である。)
「食事に関しては絶対日本の方がいいよなあ」おとうがつぶやいた。確かに。でも、日本人とて子供や若い世代を中心に、清涼飲料水やスナック菓子を取りすぎて栄養のバランスが崩れていることが多いに違いない。アメリカでの生活が快適だと常に主張している私であるが、ここで、理想的な栄養を摂るというのは、実は優しい事ではない。野菜は種類が少ないうえに鮮度も悪く、そして高価である。その中で、健康に過ごせているのは主婦の頑張りによるところが大きいんだと、覚えておいてちょうだいな。