ツリーファームへの遠足
遠足で行くtree farmとは、カオの友達のブリッタニーの家である。バスで行くほどの距離か?と思わないでもないけれど、バスで行くより他にないんだろうなあ5才児だもの。バスを降りるとブリッタニーのお父さんがミーを見つけて「君を知ってるぞ!君はミーだな。君の家族はみんな知ってるんだ。ぼくを騙せはしないぞ!」とはしゃいで言う。クリスマスツリーがどっさり植えてあるところで、このミスター・フォックスは素晴らしいエンターテイナーぶりを見せてくれた。商売と言えばそれまでだが、5才児をおだてながら木のことを上手に教えてくれた。
このファームにあるのは「バージニアパイン」という木である。そこいらに生えている松の木と同じなのだ。だが、形はまさにクリスマスツリー。「ぼくがヘアカットしたのさ。」とフォックス氏。カシの葉を取り出して「これは葉だね。松の木には葉っぱがないねえ」という。子供たちも「ない」という。フォックス氏「わはは、引っかかったな。これが葉っぱさ!」と松の葉をちぎって見せる。子供たちの中から「ニードルだ!」という声。そう、広葉樹の葉をブロードリーフ、針葉樹はニードルリーフと呼ぶんですな。「今、秋の終わりで木々の葉は色を変え落ちている。なのになぜ松は緑のままなのか?」フォックス氏は尋ねる。子供たちは「だって、松はエバーグリーンだからさ」と答える。「確かに。でも、松もずーっと緑の葉をしているのではない。緑の葉から隠れた奥の方にね」彼は木の太い幹の方に手を伸ばして茶色くなった葉を取って見せてくれた。「ほら、松の葉も色を変えて落ちるんだ。でも新しい葉に隠れて見えないだけなんだよ。」
そのほかにも、松ぼっくりの種の部分を見せてくれたり、一般家庭用のツリーになるには5年くらいかかること、木に必要な栄養のことなど、たくさんのことを楽しく話してくれた。子供たちはその後、子ヤギを触らせてもらい(そういえばこのあいだ生まれたとブリッタニーが言ってたっけ)、馬にも触らせてもらい、干し草をつんだ荷車に乗せてもらった。ものすごく寒い日で、とんでもなく寒い日で、私達がファームにいた頃は5℃くらいしかなかったのだが、子供だけではなく私もとっても楽しかった。5才児の遠足くらいが英語のできない私にはちょうどいいレベルなのかもしれない。