ヒルトンヘッド その2
我が家からヒルトンヘッドまではおよそ3時間。ホテルのチェックインまで時間があったので、ボーリングをすることにした。ガキンチョは体育の授業でボーリングをしているということだが、ノンはそのボーリングが大の苦手で「練習して上手になりたい!」と大張り切り。確実に両親の遺伝子を受け継いでいるガキンチョたちはどいつもこいつもぶざまにボールを転がしている。カオ、ノン、ミーのレーンはガーターなしにしてもらったので多少は救われたが、親と一緒に大人のレーンで投げているチーはガーターの途中でボールが止まってしまうことが何度もあった。そのたびにボーリング場のお兄さんに取ってきてもらうのだが、あまりに度重なると気まずい雰囲気になる。で、2ゲームしてホテルへ。
ホテルは「オーシャン・ビューのコネクティング・ルーム」のはずだったのにコネクティングが取れなかったばかりか、部屋番号は続いているのだが、実際には通路と階段を挟んでの向かい合わせ、しかもノンスモーキングルームではなかったため、頭痛と吐き気がするほど臭いときている。オーシャン・ビューとは言っても、駐車場が見えるその奥に、目を凝らせば「そう言えばあれは海かもしれない」というくらいに見えるもので情けないことこの上ない。もうひとつの部屋からも申し訳程度に海が見える。ホテルのプールがよく見え、11月も終わりだというのに何人かのオジサンが泳いでいる。これぞまさしく“おっさん・ビュー”などと言ってはみるが、やりきれない思いはどうにもならない。本気で帰ろうかと悩んだ挙げ句、とにかく1泊は我慢することにした。
ホテルのシーフードレストランで食事をするが、ガキンチョは元来シーフードが嫌いなうえ、料理に使ったワインがきつすぎてあまり食べられず、親が大量に消費しなければならなかった。(ウェートレスさんに確かめて、子供でも大丈夫ということだったのだけれど、とんでもなく酒臭い料理だった。)バターの風味と香辛料の効いた料理は、最初の一口はおいしいと感じるのだけれど、日本風の料理に慣れている身には胸ヤケがするのだ。「酢醤油はないのか?酢味噌はどーした?ただの醤油でいいからくれー!」と叫びたくなるのを必死でこらえて口に突っ込んだ。せっかくの休暇、不本意な幕開けであった。