ヒルトンヘッド・アイランド
サンクスギビングの休みに、ヒルトンヘッドへ行った。おおざっぱな地図ではわからないかもしれないけれど、サウスカロライナの南にある島なのである。サウスカロライナのリゾート地といえば、マートルビーチとチャールストン、そしてこのヒルトンヘッドが有名だ。マートルビーチはどうも歓楽地という印象が強く、私の好みではなかった。チャールストンは歴史の街であり、大きなプランテーションはあるし、ビーチもあってそれなりの評価はあった。確かに観光地という感じ。ところがヒルトンヘッドはどちらともちょっとばかり雰囲気が違ったのだった。
ヒルトンヘッドは木の多いサウスカロライナの中でも木々に覆われたという印象が強く残る島である。建物の色や形状、そして看板にもいろいろ規制があるのだろう。マクドナルドやバーガーキング、Wal-Mart、グローサリーストアなど、ここいらと同じ店があることはある。それらの看板は目立たないように出ていて、それすら茂った木で覆われていたりする。建物もぐっと押さえた色使いなので、気づかずに通り過ぎてしまう。まあ、別に通り過ぎてもいいのだけれど。とにかく、建造物の色を押さえることで、木々の多さが余計際立ってみえるのだと思う。(道路はロータリーが多く、地図をよく見て通りの名前を頭に入れておかないととんでもない方へ行ってしまう。標識に気を取られていると、合流箇所でもたついたりして危険極まりない。これなら何度でも信号を待つ方がマシだと思う。)娯楽施設は大通りから入ったところにあり、それがさらに歓楽地然としていない印象を与える。ビーチはゴミがひとつとして落ちていないとてもきれいな砂浜だった。もっとも今回はホテルのプライベート・ビーチしか行ってないから、この感想がヒルトンヘッド全体に当てはまるかどうかはわからない。けれども、歓楽地として精いっぱい自然と共存しようという意志がそこここに感じられるのである。
さて、ヒルトンヘッドに行ったとはいえ、たった2泊3日である。ここいらの人は少なくても1週間は滞在するのよ。滞在して何をするのかというと、取りたてて何もしない。まあ、1回くらいはゴルフをするかもしれないし、テニスもいいだろう。あとは朝晩砂浜を散歩したり、本を読んだり。分刻みのスケジュールが当たり前のツアーに慣れている向きには、なんとも時間がもったいないと思えるに違いない。今まで、3年半もここにいながらヒルトンヘッドへ行かなかったのは、おとうも私も無趣味であることが一番の理由だと思う。ゴルフもテニスもしないのだ。夏に泳ぐのは日焼けが恐くて好きになれないし、寒い時に泳ぐ訳にもいかぬ。それでもサウスカロライナにいるんだもの、行ってみよう!とおとうは決断して今回の旅行に至ったのである。