ハローウィン!!!
ハローウィンの日、最高気温は28度まであがった。夜にはぐっと気温は下がるけれど、れいねんよりずっと暖かな日にモコモコしたコスチュームを着る子はかわいそう。今年我がガキンチョはチーが私とおそろいの魔女の服、カオとミーはゴジラ、ノンはカンガルーである。(ホージーとセーラは50年代の衣装だった。)
まずこの日、補習校の帰りにホージーを迎えに行く。ホージーの家は某小学校の目の前である。が、母が先生をしている小学校に30分かけて越境通学しているのだ。家に着いてほどなく、セーラがやってくる。ガキンチョたちはハローウィンの飾りなんぞすっかり忘れて遊びほうけている。仕方なく母が飾る。ドアのリースを外し、代りにコウモリを下げる。窓にオオカミ男やら魔女のシートを張り、家中の電気を点ける。門灯もフロントポーチも明るくしておく。ホージーの希望でピザをオーダーする。焼きあがる頃おとうが取りに行く。ピザをつまみ始めたところで早くもチャイムが鳴る。ガキンチョがお菓子を持って飛んでいく。そそくさと夕飯を済ませて、コスチュームに着替える。私は数年に一度しか使わない口紅をつけた。フロントポーチの階段で子供たちが躓くことがあるので、階段の下に椅子を出して待ち受けることにした。
「魔女だ!魔女がいるぞ!」口々に叫んでお化けやテレビのヒーローがやってくる。テレビのキャラクターの犬に扮した子は帰りがけに懐中電灯で私の顔を照らした。付き添った母親は「失礼をわびてきなさい」という。私にとっては別にどうってことではないが、あの親子にとっては大事な躾である。男の子は私のところに戻ってきて、きちんと「顔を照らしてごめんなさい」と言った。That's OK. Happy Halloween!きっと魔女の顔が見たかったに違いない。中には私を本物の魔女だと思っている子が少なくなかったのだ。見なれない東洋人が魔女のコスチュームを着て、帽子までかぶっているのだ。「ねえ、あの魔女きっと本物よ。だって真っ黒な髪をしているもの。」隣りの子にそうつぶやいている子がいた。この時期、魔女用に真っ黒なカーリーヘアのかつらも売っているけれど、私のは正真正銘本物なのよ。「ねえ、あなたフランス人?魔女はフランス人に違いないのよ。」私は日本人よ。その子は口をあんぐり開けて付き添いのお兄ちゃんのところに戻って言った。「魔女は日本人だったのよ!。」
小さな女の子は私を見るなり立ち止まってしまった。怖がらないでよ。母親が「ついていってあげるわ。怖がらないでね。この人は魔女の扮装をしているだけなのよ。あなたと同じよ。あなたは天使でこの人は魔女なの。」女の子は緊張したままTrick or Treatと言ってカボチャのバケツを差し出した。真っ暗な夜、コウモリや骸骨が飾られた家の前で、スポットライトを浴びるように魔女が座っているんだもの効果は満点かもしれない。小さな子たちは緊張して当然なのよ。バケツに日本製の一口ゼリーを2つ入れると、小走りに付きそいの親の元へ言って「優しい魔女だったよ!」と報告する子。子という表現に無理があるような青年は、髪を真っ赤に塗り固めていた。それ、洗ってすぐに落ちる?私が尋ねるとため息を吐いて「簡単には落ちないと思う」と答えた。一緒に回っている青年たちは大笑い。
2時間半ほどでTrick or Treatは終わってしまった。我が家を訪れたのは200人を少し越えたくらい。土曜の夜で、やはり例年より少なかったようだ。
思いっきり楽しんだ私は、あー、来年もここにいたいなあ!と叫びたい気持ち。ハローウィン、だいすき!