いつまで続くのペンキ塗り

 ペンキ塗りの合間に行ったState Fairで(午前中は朝露が残っていてペンキ塗りはできないからよ。)観覧車に乗った時、おとうはゴンドラの柱を握り締めていなかった。去年は柱から手を離すことができず、ガキンチョに笑われたのだった。(もちろん私も笑ったが。)「おー!今年は大丈夫だ。なんだ、恐くないじゃないか。」しかしおとうの手を見ると、左手はミーの足を、右手は椅子の端をしっかり握り締めていたのだ。こんなおとうがハシゴ(借りたのは28フィート)で高いところに上ったのかと思うと感慨もひとしおである。

 ハシゴに乗った初日の晩には、おとうはハシゴが倒れる夢をみたそうな。4日目に当たる日曜日には上り下りにも余裕が見られるように感じたので、高所恐怖症を乗り越えたのかと感心したものである。だが、ハシゴを返した日、おとうは「もう絶対ハシゴなんか登らないぞ!」と叫んだ。高いところは依然として嫌いなようである。ペンキ塗りがあまりにもきれいにできているので、貸し家であることがとてももったいなく思われた。が、3年に1度のペンキの塗り替えがオーナーの仕事だとすると、貸し家で良かったような気がする。マイホームを持つ折りにはメンテナンスの一番楽なヤツにしたいと思う。

 今回のペンキの塗り替えはもちろん大家のリンがすれば良い事である。でも、リンに任せると、今までと同じ色に塗るに決まっている。それにそーゆーメンテナンスが嫌いな人なのだ。(だから、この家はとても傷んでいる。)リンが今住んでいる家は、庭まわりの世話を母親に、屋根の修理やら日曜大工をボーイフレンドに任せている。この家のフロントポーチをかのボーイフレンドが直しに来た際、おとうは彼に「ペンキはこっちで塗るからいいよ」と言ったんだそうな。で、リンに色を変える旨の許可を貰って今回のペンキ塗りにいたったのである。

 今週の後半にはこの秋一番の寒気が流れ込むらしい。氷が張るかも知れないそうな。ペンキ塗りには不向きな気温である。雨も降るかもしれないという。オイルベースのプライマーは24時間乾燥させなければならない。塗れるところだけ塗って、しばらくペンキ塗りは休まなければいけないかもしれないとおとうは言う。これからどんどん寒くなっていくというのに、ペンキ塗りが終わるのはいつなんだろう。まさか来年の春までかかるなんてことにはならないでしょうねえ!?それから、ペンキ塗りが終わった途端、日本に帰れなんて嫌だからね!!!