発音がモンダイのその後



 この秋から新シリーズが放映される予定のParty of Fiveだが、昔放映した分をあるチャンネルで再放送している。月ー金まであるので、私は結構忙しくなってしまった。

 この間、長男が次男のガールフレンドの様子が変だという場面があった。「なにか飲んでるに違いない。病院へ連れていって、血圧を測って、それから瞳孔も見てもらう方がいい」と早口でまくしたてた。彼女は薬物中毒なのだ。実際英語でどうに言ったか再現できないんだけれど、こーゆー意味のことを言ったということはわかったのだ。3年前の私だったら絶対理解できなかったセリフである。で、よせばいいのに、おとうにこの事を話した。「昔勉強していなかったヤツはちょっとすれば上達するのさ。そこそこ勉強していた人間はもうなかなか上達はしないもんだ。」それ、もしかして出発点が違う、レベルが違うってこと?「そう、そんなことで喜んでるようじゃ、なあ」おとうは完全に妻をバカにしている。覚えておくがいい。子供と妻は誉めて育てろっていうんだぞ!(ホントかな?)

 たいていガキンチョと一緒に8時半ころ寝てしまうおとうだが、最近は私より遅くまで起きているらしかった。HBOを見られなくなって以来、夜テレビを見る気になれなくて私が早寝をしているともいえる。おとうがパソコンに向かって何やらしている時に、私がゴソゴソ動き回る(こーゆー表現すると自分がゴキブリになったような気がする)のをおとうが嫌うため、私はしゃーない寝ている、ということもできる。まあ、とにかくおとうは遊んで、じゃなかった、勉強していたのである。

 例のパソコンソフト、「音声認識ソフト」というんだそうですな。このあいだ、おとうが私を呼び止めた。「おい、かーちゃん。(妻をかーちゃんと呼ぶな)結構うまくいくぞ」おとうはガキンチョの本を読んでみせる。このソフトは結構賢くて、聞き取った単語を前後の単語から推察して手直ししてくれるのだ。だから、一度タイプされた単語がちょこちょこと変えられるのを見て、おとうの発音のモンダイがまだ解決されたわけではないんだと思っていた。おとうは入力された文章をチェックする。単語をクリックすると、似たような発音の単語がいくつか出ている。正しいものをクリックすると修正できる仕組みだ。そのリストに無い場合は自分でタイプしなければならない。おとうがbeganと入力すると、画面の下の方に何やらメッセージが…。なになに?「あなたのbeganの発音は追加されました」???このソフトは滅法賢かったのだ。聞き取れないほどの発音でも「この人はこう発音するのね。しょーがないわねえ」と次から聞き取ってくれるようになるっていうわけ。発音が良くなってきたと思い込んでいたおとうはちょっとがっかりした様子。ま、そんな簡単には上達しないってことなのよ。なにせレベルが違うからね!