ペンキ塗り
このあたりの家は木造が多い。聞くところによると、3年に1回くらいペンキを塗り直さないといけないんだそうな。この家はたしか築10年になるということだけれど、今までペンキを塗り直したのは1度だけである。おとうが、「ペンキがはがれて雨が染み込むようになってきたけれど…。」と大家のリンにいったのがきっかけだった。その時、デッキや縁取りの部分は塗り直さなかった。バックヤードのデッキは木が腐ってしまっては大変なので、早々に塗った。今回、おとうは縁取り部分を塗り直そうという。しかもどうせ塗るならちょっと色を変えよう!ということになったのだ。
現在の家はダークグレーで、縁取りが薄いグレー、アクセントに青緑が使われ、はっきり言って「パッとしない」配色である。せめて縁取りを薄いクリームにでもすれば、少しは明るい雰囲気にならないか?そう思ったのよ。で、レイバーデイの安売りで、おとうはペンキを買いだめしてきた。
その日、ノンの友達のモルゲンがパンを作りに来ることになっていたので、おとうは一人でいかなければならなかった。ロウズやWal-Martといった店ならカートにごっそり乗せて車に積み込めるけれど、今回はデパートの安売りにいったのだ。カートはない。お店の人に頼めばそりゃ何とか方法はあるけれど、英語だよ。日本語でだって、人にモノを頼むのが苦手なおとうだもの。「一回で運べるのは4つなんだ。それだって気合を入れないとぎっくり腰になりそうで…。」てなことになる。で、朝と夕方、別のモールに行って(朝行ったところは4缶しか並んでなかったんだそうな)4缶ずつ買ってきた。
ペンキの色は嫌というほどカタログに載っている。普通、消費者は色を決めると、お店の人に言ってその色を作ってもらうのだ(無料よ)。色の組み合わせや量はちゃんと決まっていて、カタログに表示してあったりする。でも、何事にもおおざっぱな南部のこと、人によって、日によって、多少色が変わることだってあろう。多少じゃすまないかも。足らなくなって買い足したら色がちょっと変わってしまったなんて、みっともない。できれば缶のまま、調合せずに使えればいいだろう。で、おとうはアイボリーを買ってきた。
ペンキを塗るといっても、簡単な事ではない。まず、塗るところをきれいにしなくてはならないのだ。ブラシでこすって汚れを取る。洗剤で洗う。やすりでこする。漂白する。で、よーく乾かして、それからやっと塗れるのよ。夕方、おとうが帰ってから毎日少しずつしているのでは時間が足らない。ってえことは、私が昼間やらなきゃいけないってこと?おとうは掃除用のブラシを買って帰ってきた。「じゃあな。」といってそのブラシを私に差し出した。やだー!私の自由時間、そんなことに使ってたまるかー!