ヤードはう××だらけ!?



 ここはまだ日本よりずっと自然が豊かなので、いろいろな野鳥が見られる。生き物の好きなカオは散歩をしていても、いろんな鳥を見つけては「カワイイ!」とニコニコしている。「日本じゃあ、カラスとスズメだけだもんね。」そう、一時帰国した時もゴミに群がるカラスがとても多くて、散らばったゴミが汚く臭かったのでびっくりしたものだ。

 ここいらは、農場を持っている人も多く、車から牛がゆったりと草を食べているのが見られるときもある。草の上に牛のう××(お食事時だったらごめんなさい)がボトボト落ちていて、ガキンチョはキャーキャー喜んで(?)見ている。

 ある夏の初めに散歩に出かけたときのこと、私は学校への道を渡ろうとして驚いた。学校のグラウンドに牛のう××がゴロゴロ!ボトボト!ドッサリ!!!???おや?なんか、変。う××だったら、匂いそうなもんだけど?よく見ると、ゴソゴソ蠢いている。鳥なのだ。鳥がどっさりなのだ。ほどなく、いっせいに飛び立って、グラウンドはいつもの緑の芝に戻った。

 以来、近所のフロントヤードがう××ならぬ鳥でいっぱいになった時や木にごっそり止まっている時など、鳥を見るのが楽しみの一つになった。最近ポポコを終日つないでいるせいもあって、我が家のバックヤードにもリスや小鳥がたくさんやってくるようになった。カオは「もっとたくさんくるといいなあ。牧場のう××だらけのグラウンドみたいになるといいのに!!!」と言った。カオは2年生の時、大きな大きな松ぼっくり(長さが30センチくらいあるのよ!)にピーナツバターを塗って、そこに小鳥の餌を貼り付け、木に下げたことがある。ちょうど、鳥類の勉強をしていたところで、冬の間、食べ物が乏しくなった野鳥のためにと、学校で作ってきたものなのだ。そして先日、カオは小鳥の餌を入れるBird feederを買って、バックヤードにぶら下げた。

 カオはBird feederを自分のお金で買った。私達はガキンチョにお小遣いをやってない。カオはビーズで作ったアクセサリーやマグネット、コースターを親、姉妹、友達に5ー25セントで売って、お金をためたのだ。(しっかりしてるっていうか、最近のガキンチョは逞しいもんですなあ。)用心深い鳥はちょっと離れたところに一度おりて、あたりを見渡してから餌を食べにいく。こぼれた餌を食べにリスもやってくる。ガキンチョは、Bird feederの見えるベッドルームの窓にへばりついて、鳥を見ている。カオはある小鳥に名前をつけて呼んでいる。みんな似たようなものなのに区別できるんかいな。「あれは特別なの。ちょっとボッとした顔をしていて、ぴょこぴょこ跳ねるように歩くの!」という。鳥たちは、ちょっと長くなった芝も食べているようだ。今まで、私は短めに芝を刈るのが好きだったんだけど、鳥のために芝刈りはちょっと遠慮しておこう。バッタやコオロギもその方が住みやすかろう。

 鳥だらけのバックヤードを見てカオが叫んだ。「わーい!やったー!う××だらけのバックヤードだ!!!」今度はBird bathが欲しいんだそうだ。(やれやれ。また何か売りつけられそう。)