ウォーキング その後



 土曜日補習校にガキンチョを連れて行く時、必ずジョギングしているオジサンに会う。歩道のないところをヘッドホン(FMのレシーバーかな?)をして、汗ビッショリかいて懸命に走っている。その人が走っているのに気づいてもう1年以上たつ。体力作りなのか中年太り解消が目的なのかわからないが、小太りの体型にはまったく変化が見られない。有酸素運動で脂肪が燃える状態になってから、筋肉トレーニングをし、最後にストレッチで筋肉をほぐす。私は、この科学的トレーニングで体重というものは確実にコントロールできるものと思っていた。(私は今までしなかっただけなのよ。)オジサンは、この科学的トレーニングを知らないのだろうか?しょうがないなあ。今、補習校は夏休みなのでそのオジサンにも会ってないのだけれど…。

 私がウォーキングを始めてどれくらいになるのだろう。多分4ヶ月くらい。その間、夏休みはガキンチョ連れだったり、日本に帰っていた時はできなかったりで、実質はもっと少ないはずだ。夏休み、用があって学校のオフィスに行った。私達を見て副校長のミスター・バーンズが「ウォーキング・ファミリーだ!」と言った。それを聞いてオフィスの人たちが口々に「私もあなたたちが歩いているのを見たわよ」と言った。学校が始まっていろんな先生をはじめ、どこの誰か知らない人たちにも「歩いているのを見たわ!」と声をかけられた。このあたりで東洋人はただでさえ目立つのだ。

 最近私はポポコを連れて歩いている。行き、ポポコは散歩に行くのがうれしくて歩くのがものすごく早い。犬を連れて歩く時、犬を先に歩かせないのは鉄則である。交通法規を知らない犬が出会い頭に車に跳ねられるのを防ぐためと、人間が主人であることを教えるため。で、私は何とかしてポポコに遅れまいとする。犬から半歩ほど遅れて必死の形相で歩いているのは、私である。

 帰り、ポポコはう××をしてから、歩くペースがぐっと落ちる。心拍数をある程度高く保たないとウォーキングの効果は薄れてしまう。で、私はポポコにお構いなしに前半のペースを守ろうとする。ポポコのう××を入れたスーパーの袋をぶらぶらさせながら、鬼気迫る形相で犬を引っ張って歩くのは、私である。

 つまり、行きも帰りもせっぱ詰まった様子で歩いているわけで、みっともないことこの上ない。しかも、心の底で狙っていた「体重の減少=やせる」という効果はまったく表れていないのだ。ある日、テイラーのお母さんが話しかけてきた。「その後、ウォーキングはどう?」相変わらず毎日続けているんだけれどね、体重は変わらないのよ。私が答えると、彼女は大笑いして(どーして?)「きっと脂肪が筋肉に変わったのよ」と言った。そう望みたいところである。

 ウォーキングをして体調がよくなったし、確かに今までより筋肉がついてはいる。しかし見かけも体重もまったく変わらないっていうのは、寂しいものなのよ。今度、ジョギングのオジサンに会った時、「頑張ってね!」と親しみを込めてエールを送ってしまいそうな気がする。