ダンス・レッスン



 前々から、何か習い事をしたいもんだと思っていた。いやなに、ガキンチョの話よ。

ところが、我がガキンチョは風邪などはあまりひかないけれど、体力は不足がち。おまけに補習校の宿題をイヤイヤやるものだから、習い事をする時間的余裕もない。また、4人の意見が合わず、「送り迎えにつき合わされるのはいや!」と口々に言う。で、今まで何もせずにすぎてしまったのだ。これじゃあいけない。つまんない。何でもいい(本当はそれじゃ困るが)とにかく何かしよう。

 で、ガキンチョはダンスを習いに行くことにした。一口にダンスといっても種類がたくさんある。ガキンチョはタップダンスを習いたいらしいが、まずは基本を教えてもらうことになった。ここから12分ほどの教室で、セミ・プライベートということにしてガキンチョ4人全部の面倒を見てもらうことにしたのだ。ダンスを始めるに当たって、レオタードやシューズを買いに行かなきゃいけないのよ。4人分。しめて300ドル。なんとチーは大人用のSSサイズから選んだ。すくすくと育ったもんだ。それを着てガキンチョはご機嫌だ。でも、とても小さな教室で、生徒もあまりいないらしく、先生のジェニファーは教え方もぎこちない。ウチのガキンチョも恐ろしく内弁慶で、最初のレッスンはそばで見ていてもつらくなるほど、間の悪いものだった。それでもガキンチョは文句も言わず、次のレッスンを楽しみにしている。きっとガキンチョも何か始めたかったに違いない。ガキンチョのためには、補習校の宿題より、毎日でもダンスに通った方が良いくらいだ。でも、実際には、費用のこともあるし、それに、やはり日本語を勉強しないとまずいんじゃないかと気になって、週1回。ジェニファーが慣れてきたら、また増やしてもいい。まあ、とにかくガキンチョの様子を見ることにしよう。

 最初のレッスンが終わっておとうが聞いた。「どうだった?」ガキンチョのいないところで正直に話したら、「金をドブに捨てるような真似はしてくれるな!」と言われてしまった。ジェニファーと良く相談しながら、楽しいダンス教室にしなくっちゃ!