ディッシュネットワーク
TV-JAPANでもいよいよ「プライムスターではもうすぐTV-JAPANが見られなくなります」という案内を始めた。デッキに取り付けた二つのアンテナでそれぞれ衛星の電波が届くことを確認したおとうは、早速ディッシュネットに電話をした。そして、電話を切るか切らないかのうちに衛星からテレビ放送が届いたのである。
日本ではNHKのBS放送はアンテナとチューナーがあればすぐに見られる。アンテナが室内にあったり、戸外でも「運が良いところは」契約せず、つまりただでBS放送を見ているケースが多い。NHKはそれを人海戦術で発見すべく、視聴者といたちごっこをしている。「双眼鏡を使って、室内アンテナまで探してるんだって」などとまことしやかに囁かれていた。見ている、見てない、でもめている人もいたっけ。
その点、国土の広いアメリカは人海戦術ってな訳にはいかない。で、電話で承認を受けるという手順が必要となるのである。ディッシュネットが見られることを確認して、次におとうはプライムスターにキャンセルの電話を入れる。その後、一時的にデッキの上を這わせているケーブルを床下から通すようにしなければいけない。そこでついでにプライムスターのケーブルを抜けばいい。これらはもちろんおとうの仕事である。
私は狭いところが苦手である。おとうはこれをある種の物理的なモンダイだと言い張るが、自分では「閉所恐怖症」の傾向があるためだと思っている。だから床下にもぐるのは拷問を受けるのに等しい。さらにそこがナメクジの天下となっていることを知っている私は、おとうが自分で衛星放送の機器を取り付けると言った時に「私は床下には入らない。絶対入らない!」というのを条件として承認したのだ。
床下にもぐって5分もしないうちにすべての作業は終わった。しばらくはリモコンをいじって楽しそうにしていたおとうだが、「なーんだ、もうできちゃったのか。つまんねえなあ」とつぶやいた。木を切るなどちょっと遠回りをしたけれど、これといったトラブルはなく、簡単にできてしまったのだ。ほとんどの人が業者に頼んで取り付けているのだろうけれど、私にとっては安上がりだったし、趣味のないおとうのささやかな楽しみだったので、大いに満足している次第である。
こうしてディッシュネットのきれいな映像を楽しんでいるわけだが、我が家にはまだプライムスターのアンテナとレシーバーがある。おとうが電話したところによると、プライムスターがレシーバーの箱を送ってくれるんだそうである。で、その箱にいれてレシーバーをプライムスターに送り返せばいい。UPSで送れば送料もプライムスター持ち。アンテナは代理店が引き取りに来るそうな。ところが、待ってるのだけれど、箱が届かないのよ。アンテナも取りに来ない。おとうはまた電話をする。箱はあいかわらず送るということだが、アンテナは「もう、取りになんか行かないから、勝手に処分してちょうだい」といわれたそうだ。3年使ったアンテナはもう商品価値がないってこと?レシーバーも決められた期間内に送り返さないと違約金を取られるっていうし、(18日以内、384ドル!)あのでかいアンテナ、どうしろって言うのよ。本当に中華鍋にはならないんだってば。