Summer Stringers



 ウチのガキンチョはこれまでサマーキャンプなるものに行ったことはなかった。安全で内容もよさそうだと思うのは日程が合わなかったのである。今年たった5日間だが、チーは学校群の主催する弦楽器キャンプに参加することになった。9ー3時までの6時間、車で10分ほどのところにある小学校で弦楽器の練習を中心に行われた。

 先生いわく、思っていたほど生徒が集まらなかったそうな。「夏休みが短いから、バケーションに行っちゃったんだ、みんな。」チーは言った。弦楽器を始めて1年の初級クラスが2つ、生徒は合わせて20人ほど。2年以上の上級クラスが1クラス10人ちょっと。全部合わせても50人に欠ける。月曜日に始まって、木曜日が親きょうだい、親戚、友達を呼んでコンサート。(チーはベッキー一家を招待した。)で、金曜日は9ー11時ボーリング場でお遊び。それでおしまい。費用は70ドル+Tシャツ(コンサートに着る)8ドル+ボーリング3ドル。月ー木曜日は弁当持ち。

 コンサートはホットドッグ・ディナー付きで、サイドディッシュと飲み物、デザート、おつまみは親が持ち寄る。チーは3リットルのソフトドリンク(ピーチソーダ)とでっかいポテトチップ、とんがりコーンそっくりのスナックとケーキ2種を持っていった。ケーキは怠慢な母に代わって、カオ、ノン、ミーが作った。(オーブンへの出し入れは母がしたけど)このケーキに関しては、別の機会にご紹介しましょう。

 コンサートの時、生徒が少なかったのをミスター・モアは「すべての生徒に目が届いたし、親睦が深められた。今までになく、充実したキャンプだった」と評した。上級クラスも初級クラスも4曲ずつ演奏したが、先生たちもニコニコ本当に楽しそうに参加していた。みんなの表情でいかに楽しいキャンプを過ごしたのかが推し量れる。好きで集まった子供たちばかりだからか、音も素晴らしく、ベッキーたちも来た甲斐があったというものだ。

 チーは最初、学校の友達がホージーとケイラしかいなかったのをちょっと寂しいと言っていたが、すぐに新しい友達ができた。これも良い経験だったと思う。「来年もこのキャンプに参加する!」チーは元気に言った。ビザは来年の6月で切れてしまうんだけど、とてもじゃないけれど、そんなこと言えなかった。