肥満大国 その3 アメリカで健康に暮らすには



 肥満が遺伝によるものか、いわゆる生活習慣によるものなのかは判断が難しいだろう。家族揃って肥満というのは珍しくない、と思っていた。

 アメリカの子は日本より体格の差が大きいように感じる。がっしりして大きい子がいる半面、背も低く、とっても華奢というか、骨と皮しかないような子が結構いるのだ。そして驚いたことにそういう小柄な子の親がとてつもなくおおきな人であることが多いのである。あの子たちもじきに大きくなるのだろうか?どんな食生活を送っているのだろう。

 こっちで分厚い料理の本をヤードセールで買った。電子レンジを使って料理をしようという本だからちょっと一般的なレシピではないかも知れないけれど。でも、香辛料を何種類も使うし、時間がかかるものばかりで、試そうという気が起きない。ここで手に入る葉物は料理法を見ると「洗って5分間熱湯でゆでる。水洗いして、ひたひたのスープで1時間ふたをして煮込む。」となっている。この手の料理は今や私のレパートリーになっているのだけれど、おかげで日本にいたときより料理にかける時間がものすごく膨らんでしまった。時間がもったいない、と思う。特に英語が出来なくて何とかしなくちゃいけないと焦っているから、切実なのだ。でも、手を抜いてしまうと、体調を崩すのはあきらかである。育ち盛りの子供達はどうなる?おとうは立派な成人病予備軍だ。

 「栄養は4ツの食品群からバランス良く取ることが大切だ。」ちーはHealthの勉強だ、とぶつぶつ言っている。いま、アメリカの人に必要なのは、必要な熱量を越えずにバランスの取れた食事が実際にはどういうものか、を知ることだろう。カロリーだけを満足させる食事は健康な身体を作らない。欲しい食材が手に入らない現状で家族6人が健康でいられるような食事を作っていくのが今の私の仕事のようだ。とてもむずかしいのだけれど・・・・。