主婦の時差ぼけ
アメリカから日本へ行く時と日本からアメリカへ行く時では、時差ぼけの程度に差が出る。おとうは東へ向かう時の方が西に向かうよりつらいということなのだという。確かに、日本で感じた時差ぼけより、今の方が数段ひどい。これが東向きに飛んだ故だというのなら、私はぐるっとアジアを回るように西向きに飛んで戻りたかった。それほど時差ぼけはつらい。それも日増しにひどくなるような気がする。
時差ぼけを軽くするには、飛行機の中で眠らない方が良い、と私は思う。ぐっすり眠って疲れを取った方が良いように思われがちだが、出張で嫌というほどアメリカと日本を往復したおとうの経験からも、私の数少ない経験からも眠らないに限るのだ。アメリカから日本へ向かう時はたいてい家を早朝出発、午前中にアトランタを出るというパターンで、日本には日本の時間で翌日の昼、アメリカ東部時間だとその日の夜中に到着する。つまり、夜更かしをするつもりでいれば、眠らずにいるのはさほど難しいことではない。それにひきかえ日本を出発するのは夕方で、飛行機に乗り込む頃にはもうかなり疲れているのである。ガキンチョは機内食が出てくる頃にはすっかり眠くなっている。
それでも、今回私はほとんど眠らずに過ごせた。眠くてどうしようもないと思った頃に、また「タイタニック」が上映されたのだ。私はこの映画が特に好きだというわけではないし、ましてレオナルドのファンだというわけでもない。でも、どーゆーわけか、この映画、上映時間の長さをいとわずに見ることが出来るのだ。何回見てもわからない英語はわからないままなんだけれど。で、とにかくアトランタに着くまで起きていられたのである。(アトランタからコロンビアに向かう飛行機がエアコンの故障で1時間も遅れ、家に着いたのは午後11時近かった。)
翌日からおとうは平常通りの勤務で、私は掃除や荷物の整理、食料の買い出し、洗濯に忙しかった。夕方、ガキンチョはバタバタと眠ってしまったが、私は比較的元気だった。やはり、飛行機では眠らないのがよいのだと思ったのもつかの間、私にはぐっすりと眠る時間がないことに気づいた。ガキンチョが夜中にごそごそ起き出すのだ。しかも完璧に時間差。すべてのガキンチョが眠っている時間は2ー3時間もなかったりする。勝手に起こしておけば良いと思わないでもないけれど、食事も取らずに寝てしまった子をほっておくわけにもいかず、付き合ってしまう。母はもう睡眠不足もいいところ。
こっちに戻ってもう5日もたつのだけれど、ノンは3時のおやつを待ちきれずに眠ってしまった。こいつはきっと夜中の12時頃起き出すに違いない。まったく、いつまで続くんだか、この時差ぼけ。困ってしまった。