一時帰国 準備その2



 私はアメリカと日本二つの運転免許証を持っている。1昨年、一時帰国した時、更新期間にはなっていなかったのだが更新期間に日本にいないことが確定しているということで、手続きを済ませておいたのだ。日本では既に住所がないはずだが、最後に住んでいたところをそのまま現住所ということにして手続きをした。いまじゃあ、別の人が住んでいるのにいいのかなあと思いながら、せっかくの優良ドライバー、期限内に更新すれば次は5年後でいいのだから…と公安委員会の人に勧められたのよ。おとうの場合、去年の10月で日本の免許証は切れてしまった。でも、海外にいて更新できなかった場合はすんなり更新できるはずだと思っていたのだ。

 おとうが調べたところ、一時帰国者でも帰国者でも住民票が必要だということである。どうやら私が更新した時と若干の変更があったようだ。住民票の取れないおとうは、父親の住民票とその場所に滞在するという書類がいるとかで、ものすごくややこしい。義父の住む地方都市は免許証の交付にも日数がかかっていた。(今は迅速になったかもしれないけど)日本滞在中に免許証が手に入らないと、また面倒くさいことになる。不精者のおとうがこんなややこしいことに時間を割くとは思えない。

 今回の滞在で免許の更新はできないかもしれない。そうなると、レンタカーはどうするの?私が運転するの?そりゃ、できないことはないけれど、基本的に自分しか信用しないおとうは、運転も自分でしたがる。人の運転は不安でたまらないらしい。それが他人の場合は嫌だと思っても口には出さず我慢するのだが、私の運転にはあーでもない、こーでもない、ナンダカンダ、ブツブツ文句をつけ、まったく必要のないところで悲鳴を上げ、騒ぎまくるのだ。結果的に私と大喧嘩になるのが常である。で、私はよほどのことがない限り、おとうを乗せて運転はしないことにしている。幸いおとうもアメリカの運転免許証を持っている。それで、国際免許証を取ればいいのだ。そう思いついたおとうは、「どうしたら国際免許が取れるか調べておけ」と言う電話を会社からかけてきたのだった。

 コロンビアのガイドブックに載っているHighway Department officeに電話した。電話番号が変わったというテープが流れる。案内にあった電話番号にかけると、また違う番号を教えられた。その番号はとにかくお話中ばかり。25分リダイアルボタンを押し続ける。で、結果は「このオフィスでは国際免許は扱っておりません」なんとAAA(トリプルAと読みます)で聞けという。日本のJAFにあたるAAAはいとも簡単に「パスポートサイズの写真2枚、アメリカの免許証、10ドルを持ってきてください」と言う。ものの2ー3分で作れるということである。これなら不精者のおとうもその気になってくれるだろう。やれやれ。