肥満大国 その2 「低脂肪をめざす国」の肥満の謎



   アメリカで食生活の敵とされているのは脂肪である。クイン先生も「低脂肪」をことの他大事にしているようだ。以前、すしバーへ行った話しをしたら、「寿司は低脂肪でとても健康的で・・・」ときた。確かに寿司で低脂肪の食事にすることは出来るが、つい食べすぎてしまう。熱量はその必要量を遥かに越える。塩分や砂糖も店によってはものすごい量になるのだ。

 うちに遊びに来るがきんちょは一体いつ食事をしているんだろう。ローリーとクリステン姉妹は4時半に食事に呼ばれた。「後でまたくるね」と帰って本当にまた戻ってきたが、ベッキーやモニカやハンナは6時半になっても帰る素振りがなかった。「食事は何時ころ?」と尋ねたら、「うーん、」とだいぶ考えて「7時ころかな」と答えた。

 聞いてみると夕飯はハンバーガーやパスタが多いようだ。チキンやターキーが出るとちょっと特別のディナーである。友達の家に呼ばれたときも、ターキーがあってポテトとパスタサラダとコーンとグリーンピースのディナーだった。他の家でもスウィートポテトがでたりするけれど、似たりよったりである。これにパンとソフトドリンクがつく。デザートはトッピングがごっそりのアイスクリームかケーキ、あるいは両方だったりする。

 学校のランチメニューは紹介したけれど、家からランチを持ってくる子もいる。どんなランチかご存じだろうか?ポテトチップスにジュースというのがすごく多い。ポテトチップスは市販のものをビニール袋に詰め込んで来る。次に多いのは、ピーナッツバターとゼリーのサンドイッチにジュースである。こちらのピーナッツバターは塩味で、この場合のゼリーはジャムのことである。最初は話しを聞いただけで身震いをしてしまったが、食べてみるとさほどひどい味ではない。ただ、パンにチョコッと塗っただけのピーナッツバターをたんぱく源と見なせるかどうか疑問だ。中には、チョコチップクッキーにジュースを持ってくる子もいるとかで、はじめのころかおはうらやましがっていたっけ。(ちーは最初から「あんなんじゃ、足らないよ!」とあきれてた。)

 食事を作る手間を考えたら楽でいいけど、これじゃほんとに病気になっちゃうよ!もっと考えないと今の子供たちがおとなになったとき、困っちゃうんじゃないの?