ラスト・デイ!
今日は今年度最後の日であった。今日まで3日間は、11時10分終了のハーフデイで、ほとんどお楽しみばかりのプログラムだった。恒例のタレントショーやら、フィールドデイと言ってバスタオルと飲み物を持って外に行ったり、お菓子やゲームで日頃の憂さをはらしている、ようである。
最終日に子供たちはそれぞれお世話になった先生に小さなプレゼントを持っていく。ウチのガキンチョはお箸、日本風のハンカチや小風呂敷、お手玉など、去年の夏にごっそり買い込んでおいたもののなかから適当に見繕って持っていった。それから、自分たちで作った抹茶クッキー。
今年は校長先生のほかに、チーの担任だったミセス・ライアソンが学校を辞めることになった。やめて何をするのかと聞くと「何にも。まずは何もしないで、家の片づけでもするわ。しばらくはね。」好きな時にやめて、気が向いたらまた仕事を探せばいい。そんな感じ。そういえば新聞には、校長から始まって副校長、各教科の先生、各学年の先生といった求人広告がいっぱいでていた。人口増加の著しいここいらでは、質の高い元先生はいつでも職にありつけるのだろう。
ラストデイ・パーティーのあと、通信簿を渡される。そこには来年度のグレードが書いてあって、進級できるかどうかがわかるのだ。1年を通じてすべての教科でAを取った生徒はカフェテリアで開かれたアイスクリームパーティーに招待される。冷房で冷え切った校内では、アイスクリームのありがたみは残念なことに薄れてしまっている。が、アイスクリームをたらふく食べたカオは「ここにいる限り、ずーっとAを取ってアイスクリームを食べるんだ!」という。来年度はまだしも、5年生からの授業は本当に難しくなる。ここにいてカオがその授業について行けるかどうか見てみたいなあ。
ガキンチョを迎えに行って、ミセス・ライアソンにお別れの挨拶をしに行った。ミセス・テイラーもいて、口々にチーを誉める。別れを言いに来た他の生徒には「来年もがんばってね」と言っていたが、チーには「いっぱい遊びなさいね」と言った。「チーはとても頑張った。チーに必要なのは、リラックスして遊ぶことですよ」だって。母もそう思わないことはないが、チーはウチでは妹をかまったりして、結構気晴らしをしているのだ。父親に似てソトヅラが良い。
来年度、この学校群は暑いさなか、8月10日に新学期が始まってしまう。例年より2週間ほど早い新学期である。以前にも書いたことがあるが、1年は9週間毎4学期に分けられていて、各学期の終わりにテストをする。今年、冬休みが終わった直後にそのテストをしなければいけなかったのだが、生徒にとってはそれがマイナスであるというのが教育委員会の判断である。一般常識の夏休みからずれるこの改革は、現場の先生にとってはあまり評判がよくない。「ずらすんなら9月にずらせばいいじゃない!」「いくらなんでも8月10日はひどいわよ。どこにも行くなってことじゃない!?」「準備が間に合うかしら?」私はいろいろなところで先生方のぼやきを聞いた。それでも、始まるのが早ければ、もちろん終えるのも早い。1999年の5月21日が最終日なのだ。おとうは言った。「じゃあ、他が夏休みに入らないうちディズニーワールドに行こう!」それに水を差すようにある人がいった。「5月は学校の修学旅行の生徒がドッと繰り出すんだよね。」まあ、来年の心配は来年することにして、今日は我が家でもラストデイ・パーティーをしようと思う。