ミー、無事卒業



 K−4は今日が最終日だった。(他の学年が終わるまで、先生は家庭訪問をすることになっている。)昨日はいっちょまえにグラヂュエーションで、今日はラストデイ・パーティーがあった。みんなで300mほど離れた公園に行くのだが、私はグッディーズ・バッグと付き添いのボランティアをすることになった。

 グッディーズ・バッグは、お菓子やちょっとした文房具、おもちゃなどを詰め合わせた袋で、私は数種類のお菓子と小袋のクラッカー、おもちゃの笛などを透明の袋に詰めて用意した。学校に着いて、ミセス・スミスの注意を聞く。今日は大人の数が十分とは言えないから、モンキーバー(うんていのことよ)はしないこと。遊具がおでこの高さにある物が多いから、ちゃんと前を見てぶつからないようにすること。グランドを歩いている間は手を繋がなくてもいい。だって、ものすごく暑いから。でも、道路を渡る時は手を繋いでいなければ行けない。などなど。

 アスレチック公園では、汗を滴らせたガキンチョがタイヤのぶらんこを押してくれだの、遊具に登ったのはいいけれど恐くて降りられなくなった子がいるだのと忙しい。テーブルに紙皿を並べ、直径10センチはあろうかという巨大なチョコチップクッキーを並べる。ガキンチョがやってきた。こういうパーティーでも飲み物は甘いジュースというのが私は気に入らない。グラヂュエーション・ケーキは青と赤の風船が描いてある。ケーキの派手さはいつか写真編に載せたいと思うほどひどい。いつかミーがトイレで「お母さん!う××が…!」と叫んだことがある。行って見るとミーのう××が鮮やかな緑色で、その緑の部分は水に溶け出していて、アメーバが蠢いているように見えるのだ。食事時に読んでいる人がいたらごめんなさい。でも、緑のう××の原因は、前日幼稚園で食べたジョーイのバースデイ・ケーキにあると母は信じている。その日、ミーは口の回りや舌、手のひらを原色で彩って帰ったのだ。

 小1時間を公園で過ごして、また歩いて学校に戻る。教室で、ミセス・スミスが夏休みの過ごし方について話をした。その後時間までガキンチョのリクエストで歌に合わせて踊る。踊っているガキンチョはいいが、ずっと座っている母は冷えてしまう。鳥肌が立ち始めたところでようやく時間が来た。ミセス・スミスとミセス・ヒューストンに一人ずつ抱きしめられて、帰る。ついこのあいだ通い始めたと思ったのだが、Kー4プログラムは終わってしまったのだった。

 この9ヶ月間、風邪で何日か休みはしたけれど、学校に行くのを嫌がることは一度もなかった。「ボーイが押すのが嫌だなあ」てなことは言ったけれど、それでも学校に行くのは楽しいという。普段は母にべったりなのに、教室の前ではにっこり笑って行ってしまう。上3人はそれなりの苦労を重ねて親離れしたものだが、一番甘やかして育てたとおとうに文句を言われるミーが、これほど早くすんなり親離れするというのも何だか皮肉である。何はともあれ、無事に終えたのだから、パーティーでもしようかと思う。