クレジット
こっちへ来てすぐにクレジットカードを作ろうとして、おとうにはアメリカで働いていたという実績がないということで、審査にパスしなかったことがままあった。スーパーやグローサリーではチェックを使えば良いはずだが、運転免許証の提示が必要なので、免許のないうちは使えなかったのだ。この場合、国際免許証やパスポートは使えないのよ。で、しばらくクレジットカードはない、チェックは使えないで、もっぱらキャッシュを使っていた。やっとクレジットカードが作れても、チェック社会のアメリカは、クレジットカードの支払いも実はチェックによるのだ。毎月使った分の請求書が郵送され、その金額のチェックを送り返す。銀行から自動引き落としされる日本に比べると、なんだか面倒くさい。
今、私が一番頻繁に使うクレジットカードは限度額が低い。旅行やら特別の出費がある時は、トール・フリーのサービスセンターに電話して利用額を確かめ使えることを確認しておく必要がある。それとて、使った日から、利用額に合計されるまでちょっと時間がかかるわけだから、まだ使えると思っていたのに実際には限度額をオーバーしていて使えないこともある。おとうだって使っているわけだから、そういう危険はさらに大きくなる。
ある日、利用額を電話で確かめて郵便局に行った。45ドルの請求はそのカードで賄えると思っていた。が、はねられてしまった。もうひとつのクレジットカードを出してことなきを得たが、(チェックも持ってるから心配は要らないのだけれど)それから何日かして、利用限度を超えているとの手紙が届いた。すぐにチェックを送ったのだけれど、10ドルもの罰金を取られてしまった。
このクレジットカードは、あるグローサリーストアとクレジット会社が提携して出しているもので、そのグローサリーでの買い物は利用額の3%、他は2%がグローサリーの買い物券として戻ってくるのだ。いくら戻っても、10ドルの罰金は痛い。「物価の安いアメリカで、限度額を越えていったい何を買ったんだ?」おとうの追求にひとまず私は寝たふりをするしかなかったのであった。