Domino's Pizzaふたたび
月曜日にピザを食べたばかりであった。大変な思いをしてピザを買ったので、当分ピザは見たくもないと思っていた。ところがガキンチョは翌々日また学校からドミノピザのプリントを持ってかえってきたのである。
「今日5時30分から6時30分の間、校長先生と副校長先生たちがドミノピザでピザを作ります。見に来てください。なおこの日は終日、1枚のオーダーにつき1ドルが学校に寄付されます。」
ガキンチョは「見に行く!ピザも食べる!寄付するの!」という。その日、ちょうど修理点検に出したDodge "Grand" Caravanを夕方取りに行かなければいけないことになったので、「ピザはやーだ!」という気持ちを振り切って、ピザを頼むことにした。
注文はチーがしてくれた。ミス・ケイに言わせると「チーとカオはアメリカ生まれのネイティブスピーカーと言っても通用する」んだそうだ。(ノンはこれまでちょっと日本なまりがあったのだけれど、ここ1ヶ月ほどでなまりがすっかりとれ、久しぶりに電話でノンと話をしたミス・ケイは間違った家に電話をしたかと思ったそうだ。)で、忙しい時のピザ屋サンにはなまりどっぷりの私より、チーが電話した方がいいと思うのよ。
今回のドミノピザは、月曜日にいったところとは別の場所である。校長のミスター・ロングと副校長のミセス・ライト、ミスター・バーンズはドミノピザのユニフォームを着てニコニコしている。ミスター・ロングとミスター・バーンズは生地をのばし始めた。ある程度のばしてから、拳骨の甲でクルクル回して薄くする、はずだった。が、ミスター・バーンズのは、床に落ちてしまった。口惜しさで顔を赤くして、ミスター・バーンズは生地をごみ箱に投げた。ミスター・ロングの方は均一に延びずにいびつになっている。丸い台にそれをのせてみるが、いびつすぎて収拾がつかない。あっちこっちいじっている間に、とうとう破れてしまい、それもごみ箱行き。ミセス・ライトはキャッキャッとはしゃぎながら台にチーズやトッピングをならべている。ミスター・バーンズの2つ目の生地は順調にのびている。拳骨もうまくいった。彼は筋がよさそうだ。本人も「初めてのピザだ!名前を書いときたいなあ。」と屈託がない。そのピザ台は、プロから合格点を貰い、ミセス・ライトの所に運ばれた。その間、注文の電話はたくさん鳴っていたし、プロが先生たちの間で見事に均一で丸い台を作ってはいたけれど、生地はだめにする、時間はかかる、しかもおしゃべり好きなド素人が3人も入って、商売になるんだろうか?ひとごとながら心配になってしまった。
ガキンチョによるとミスター・ロングは今年度限りで校長を辞めるんだそうである。退職後どうするのか、今度尋ねてみようとは思っているけれど、ピザ屋にはなれないということだけは明らかである。
PS;落っことしたヤツはだめだけど、延ばし損ねた生地は焼いてガーリックバターなんぞで食べてもおいしいんだけどなあ。何もごみ箱に捨てるこたあ、ないでしょうよ。あー!もったいない!