雷は嫌い!なのね



 昨日は一日雷がウロウロしていた。夜にはとんでもなく大荒れの天気になった。おおざっぱな天気予報ばかりを一日中飽きもせず流しているチャンネルでは、それでも雷警報とトルネード警報の範囲が近づいているのが分かった。悪天候の場合、衛星放送は途切れてしまう。昨夜も肝心の時には役たたずの衛星放送であった。地上波は見られるが、ニュースはやっていないし、トルネード警報が出たとしても、時折字幕が出るだけだ。いつ出るかわからない字幕をじっと待ってるなんて、私にはできない。で、私は早々に寝ることにした。

一応、ポポコが犬小屋に入っているかをシェードの隙間から覗いてみた。ポポコは長いリーシュに繋がれているので、デッキの柱にでも絡まって動けなくなっているとかわいそうである。ポポコは犬小屋には入っていなかった。ドアを開けて呼んでみたが、上がってこなかった。引っかかっているに違いない。外はどしゃ降りである。雷と稲光がすんごい。私は来ていたパジャマを着替えて、ポポコを救出するべく大荒れの天気の中を出て行った。

「ポポ、ポポ」いつも引っかかっている柱のそばにはいない。おかしい。「ポポ!」大きな声で呼ぶと階段の下からぬれねずみになった犬のポポコがやってきた。引っかかっていたわけではないのだ。「こら、どーして犬小屋に入ってないのよ。」そういいながら私は犬小屋の中を点検した。ゴキブリやクモはいないし、新聞紙(毛布や布はきらいなのか、入れておくと引っ張りだしてしまうのよ。だから新聞紙をどっさり入れてこまめに替えることにしている。)もぬれてはいない。そのとき、ピカッと空が光り、雷が鳴った。ポポコは首をすくめながら階段を駆け下りて行った。

ポポコは雷が恐いに違いない。「こんな悪天候でも家の中に入れてくれないのが悪い」と私達を怨んでいるのかもしれないが、それにしてもポポコ、ゴキブリのようにズズズッと逃げるのはやめておくれ。なさけないったらありゃしない。濡れて損したような気がするじゃないのさ!