頭でっかちはダメよ
小学校は1年4学期で編成されている。各学期9週間ずつで、First Nine Weeks, Second Nine Weeks, という具合に呼ばれる。それぞれの学期の終わりにReport Cardsという通信簿が渡されるが、Interim Reportsという、まあ言わば中間通信簿があって、年間8回、通信簿がどっさり来るのだ。それらは渡された翌日、コメントを書いて提出しなければならない。チーのが先生ごとに3枚で、カオのが担任とイーグルプロジェクトの2枚で、4才クラスのミーにまでそーゆーのが渡されたりすると、母はパニックになる。
アメリカの教育がゆったり、のんびりしているという日本での常識は現実的ではない。アメリカで教育、殊に早期教育の充実が叫ばれるようになったのは、ブッシュ政権辺りからだというが、サウスカロライナではここ数年でさらに大きく変化しているそうだ。アメリカでは義務教育は無料ということになっている。つまり税金でまかなわれるのだが、税金のたくさん集まる地域ではそれだけ教育に回す金額も多くなる。教育に熱心な親はそーゆー所に住もうとするし、さらに寄付金をはずむことにもなる。それまで感心の薄かった親たちの啓蒙も進む。私達の住んでいる家はまさにそうした発展途上の学校群にあり、学校からの手紙も新聞もとても熱心である。尻を叩かれているという気がしないでもない。
この間、Third Nine Weeks Report Cardsが渡された。成績はアルファベットで評価される。Aが93-100、B+が89-92、Bは85-88、C+が80-84でD+は73-74、Dは70-72で70以下だとFがつけられる。すべての教科がAの場合はAチームと呼ばれ、賞状とハンバーガーやピザのただ券が貰える。すべての教科がB以上の場合はオーナーロールで賞状が貰える。我がガキンチョはこぞって良い成績で、おとうは「おれの遺伝子」と言う。が、話を聞いて見ると子供の頃の通信簿はそんなに芳しいものではなかったそうな。
チーがオーナーロールの賞状を貰って大喜びしている。確かにクラスでAチームが一人、オーナーロールが3人だけだったと聞けば、それがいかに大変なものかはわかる。実際チーは頑張ったのだけれど、自分の小さい時のひどい通信簿を思い起こすたびに、チーが無理をしているんじゃないかと心配になってしまう。で、通信簿のコメントに「チーには“勉強ばかりしてはいけない。さもないとハゲちゃうぞ!”と言っときました」と書いておいた。担任のミセス・ライアソンはそれを読んで「バカ笑いしてたよ」ということである。冗談でなく、本心でそう思っているのよ。だから、今週の春休みはウォーキングにでも連れ出して、運動不足の解消と体力作りに励んでもらうつもり。勉強より健康が第一だもんね。