カモになったかも
電話会社をより安い所にコロコロ代えるのは、アメリカでは普通のことである。手続きも電話会社同士が済ませてくれるので、客は楽である。ひとこと「代えたい」旨を言えばいい。日本にいる時は、何をするにもNTTにナントカ料とふんだくられていたような印象があった。手続きも面倒だったし、時間もかかった。今は少しは良くなったかも知れないけれど。
一見便利そうなアメリカではあるが、私の場合、英語が分からないということで結構失敗をしている。先日、電話会社から勧誘の電話がかかった。ちょうど電話会社を代えてもいいなあと思っていたところだった。英語でまくしたてられて、はっきりしないところがあったので、こっちから商品名を出して尋ねてみた。相手は「そうそう、それ」と答える。レートやサービス期間も「ハハーン」と相槌をうった。で、代えることにした。次に確認の為に出たのはネイティブ・スピーカーとは程遠い英語をしゃべる人だった。聞き返してもよく分からない。ここで、面倒に思った私が悪いのよ。後日郵送された手紙で、私は考えていたのとは別の契約をしたことを知ったのだ。
勘ぐれば、英語の出来なそうな私を故意にカモにしたとも考えられる。だって、しっかり念を押したはずなんだもの。これだけの大きな国だから、いろんな人がいて当然。英語が出来ない私も悪いのよ。おとうはニタニタと笑っている。執念深いおとうはこれで5年は笑うだろう。おとうはwebで同じ会社からつい最近もっと安いものが出たことを調べてくれた。「契約し直しとけよ」で、こんどは万全を期すつもりで、日本語サービスに電話をしたのだ。
電話に出たご婦人は日本人らしいのだが、やたらと英単語が出てくる。これはこの人だけでなく、アメリカにいる日本人に共通に見られる現象の様で、耳障りなことこの上ない。彼女は何やらぶつぶつ言っていたが、私に別の電話番号を教えると「そちらが窓口ですので、そちらにどうぞ。」と言って、電話を切ってしまった。これじゃ英語のできない人に日本語でサービスしようという本来の目的は達成出来ないんじゃない?まあ、しかたない。もうひと頑張りしよう。そうすりゃ、おとうが5年笑う所を3年に短縮できるかもしれない。
電話で安い方に代えたいことを告げると「自分でサインアップしてちょうだい」と言われた。???どうすりゃいいの?「コンピュータのwebにつないで自分でしてちょうだい」???コンピュータのない人はどうするんだろう?せっかく窓口に電話したってえのに、こんなあっけなく突き放されていいのか?いろいろ考えは浮かんだけれど、まあ、とにかく他に話すことはないので電話を切った。これで、安いサービスに代えることは出来るのだ。
おとうがコンピュータで契約をかえたその日、去年まで契約していた別の電話会社から手紙が届いた。「75ドルあげるからまた契約してちょうだい」というものだそうな。おとうは75ドルにすっかりのぼせてしまっている。我が家はこれからも電話会社をめまぐるしく代えることになりそうだ。