切れる寸前なのよ!
今週、私は忙しい。火曜日(今日よ)はカオの誕生日で、カップケーキをクラスに届けた。水曜日は恐怖の「日本について」話をしなきゃいけない日。それだけならなんでもないのよ。ところが、今週は友達のガキンチョ二人の面倒を見なきゃいけない。朝10時頃から夕方6時まで!
その友人は中国人で、近所に住んでいる。ここに来て間もなくガキンチョのお迎えに学校に行った時、散歩をしていた彼女に会い友達になった。ここいらでは少ないアジア人なんだもの。
彼女にはミーと同い年の女の子ともうすぐ3歳になる男の子がいる。ミーと女の子はK−4で一緒になって、彼女と会う機会も増えた。そんなある日、彼女の病気のことを聞かされたのだ。以来、彼女が病院に行く時は、子供たちを預かるようになった。彼女は時々入院し、その間はハズバンドが会社を休んで子供の世話をしていた。ところが、我がガキンチョの風邪が峠を越えたところで彼女から電話があった。病院からだった。また入院していたのだ。「あと1週間入院しなきゃいけないの。昼間、子供たちの世話をしてくれないかしら?」ハズバンドはこれ以上休むとクビになりそうなんだという。医療保険が使えなくなったら困ってしまう。入院中では、今すぐにチャイルドケアを探すこともできないだろうから、とにかく預かることにした。彼女はお金を払うと言ったが、お金を稼いではいけないビザしか持っていないことを理由に固辞した。
実をいうと私は子供が嫌いである。「子供が4人もいるんだから、さぞ子供好きなんでしょうね」と言われることが多い。だが、正確にいうと、ウチのガキンチョはかわいくて面白くて大好きなのだが、どうもよその子はどう扱っていいかわからないし、うるさいのが多いし、遠慮ってものを知らないヤツが多いし…。とにかくそういうのが苦手なのよ。だから、今回も喜び勇んで預かるのではなく、アメリカに親戚もいない彼女がかわいそうで、彼女のために引き受けたようなもんなのだ。
いやー、大変なもんですなあ、子育てって。ついこの間まで楽しいもんだと思ってたのに!ウチのガキンチョは喧嘩をするとは言っても、皮肉を言ったりするのが関の山だった。ところが違うんですな。物の取り合いでは、初っ端から手が出る、足が出る。4歳と2歳じゃ力の加減なんてできないから、結構ものすごいのだ。
昨日はお隣りのベッキーがやってきて一緒に遊んだ。下の男の子はだんだん遠慮がなくなって、チーにも手荒なことをするようになっていた。チーを踏んづけていた男の子をベッキーは "Stop it!"と叫んで突き飛ばしたのだ。そしてベッキーも男の子もそれを特別なことと思っているふしはない。弟を持つベッキーにとっても、そーゆー喧嘩は日常なのだという。気の弱いウチのガキンチョはそれを引きつった顔で見ていた。
女の子は4歳にしては、しかも家ではほとんど中国語を使っているというのに、英語が達者である。ミーを赤ん坊あつかいして、あれこれ指図するものだから、ミーが怒って言い争いになった。女の子はそれからなんども「ミーは意地悪だ。良い子じゃなかった。」と私に言い、ミーにも「もうあんな真似はしないでちょうだい。」と言った。父親が迎えに来た時も中国語でイズミがどうのこうのと言っていたが、すっかり被害妄想になった私は「きっとまた告げ口しているに違いない。」と勘ぐってしまうのだった。
預かって3日目なのだが、ガキンチョはもうネをあげている。私もちょっとげんなりしているところ。だってー、今日はおしっこまで引っかけられちゃったんだもの!もちろん気持ちは分かるのよ。慣れないところで慣れない人に「おしっこ」って言うの、難しいものね。だから、私は「言えて偉かったね。でも、今度はもうちょっと早く教えてね。」と言ってやった。でも、知らなかったなあ。男の子のおしっこがあんなに高く吹き出すなんて。私もトイレもおしっこまみれよ。「久々にトイレのお掃除ができて良かった」なんて聖人みたいこと、私には言えない。
アメリカでは、養子を貰って育てる人がとても多い。自分の子がいる、いないにかかわらず。自分の子と同様に養子を育てるなんて、私には想像もできないことだ。そうよ、あたしゃ、人間がデキてないのよー!