ガキンチョ 風邪を引く



 日本では風邪が流行っているそうだが、こちらも同様である。

ミーに始まった風邪は、とうとうガキンチョ全部に広がった。4人全部がダウンするのは、4年前の水疱瘡以来2度目である。風邪くらいでは、よほどのことがないと医者へ行かないのが我が家の常なので、今回も家でゴロゴロしている。

子供は大きくなるにつれて体力もついてくるものである。チーはperfect attendanceを目指していたものだから、学校を休みたがらず、説得するのに苦労した。結局おとうが「だめ!」ときつく言って泣く泣く承知したのだ。それでもしばらくはベッドの中で「お父さんなんか大嫌いだー!」とつぶやきながら涙を流していた。

ガキンチョの学校では、休んだ分の宿題は後日学校の休み時間にしなくてはならない。長く休んだ場合は、オフィスに電話をしておいて宿題を取りに行かなくてはいけないことになっている。たとえ病気で休んだ時の宿題といえども、していなかったり、間違いが多いと成績に影響するのである。休み時間だけですまないと、アートや音楽、体育などの時間にしなくちゃいけないのだ。学校へ出られるようになってからは、休んだ理由を文書で提出する決まりになっている。だから、我が家の場合は、その文書に「宿題は家に持って帰らせてください。後日提出します。」と書くことでガキンチョと折り合いがついた。それでも、先生によっては家に帰ってからの宿題の方が大変だろうと、学校でさせようとする人もいる。「みんなと同じ事をしたい、人と違うのは嫌だ」という日本人の特性からではないけれど、ウチのガキンチョは一人で宿題をさせられるのは嫌いなのだ。「宿題をしている間に、みんなが面白いことをしているんじゃないかと思うと、落着かないのよ。」と言う。「水曜日はミュージックのテストだから行かなくちゃ!」このテストで良い成績を取ればリコーダーのクラスを受ける権利が貰えるカオは、なかなか引かない熱にイライラしている。「たとえテストが受けられなくても、再テストが受けられるのだから大丈夫。風邪が治らなかったら、お休みしなさいね」私が言うと、カオは「分かった。でも、その次の日は休めないよ」と言った。どうして?「だって、ランチがチキンナゲットなんだもの」もう、勝手にしなはれ!