夢のフルデイ・プログラム
ミーが早くも来年の幼稚園の申し込み用紙を持ってかえってきた。来年度、ここにいられるもんだか分かりゃしないけれど、「いられますように!」と念ずるように書類をうめた。
添付のミセス・スミスの手紙は、ノンの時と、ちょっと様子が違っていた。ノンの時は、この学校でフルデイ・プログラムが導入された最初の年で、フルデイは「1年生の勉強についていけないおそれのある子供のため」設置された。すべての子供がスクリーニングテストを受けた結果、ノンはフルデイで勉強する必要はないと判断され、2時間半のハーフデイになったのだ。ところが、今年は「すべてのクラスが、フルデイになるかどうかまだ分かりません。でも、スクリーニングの申込書を提出しておけば、もし、全員がフルデイに入れないとしても、あなたの子供はフルデイにspotを持つことができます。」という手紙だった。
教育委員会は、早期教育に力を入れていて、幼稚園の充実、特にフルデイ・プログラムの拡充の必要性をことあるごとに訴えていた。幼稚園は義務教育である。多くの子供は、それ以前にフルデイのチャイルドケアや私立のプレスクールに行っていて、義務になった途端、たった2時間半の保育になってしまうという、いわば逆転現象が起きるのだ。共働きでPMクラスになった場合、朝、チャイルドケアに預け、チャイルドケアが幼稚園の送り迎えをし、放課後またしばらくチャイルドケアですごさなければいけない。でも、義務教育である。行かせなきゃいけないのよ。かといって、私立の幼稚園は数が少なく、お金がかかる。公立幼稚園の充実はもはや必須なのである。
さて、ミセス・スミスの手紙が私の解釈通りだとすると、ここにいれば来年ミーはフルデイに行くということになる。7時45分から2時まで。こう考えたら、胸がドキドキしてきた。私、一人になるのよ!さびしいような、うれしいような、恐いような。さあ、どうしよう。何を始めよう。どこへ行こう!チーが言った。「チッチだったら、お昼寝するなあ。」もったいないこと言わないでよ!