ぽぽこ その5 避妊手術を受ける
ぽぽこがうちの子になってすぐと、そしてこの秋、2週間ほど前から発情の兆候がみえた。最近ではフェンスの下をくぐって外に出るようになってしまったから、恋犬(?)でも見つけてしまうとまずいことになる。子供達は隣のベッキーまでも「ぽぽこの赤ちゃんが欲しい」などといっている。でも出来ない相談である。だから、避妊手術を受けてもらうことにした。
いったい人間にどんな権利があって勝手に避妊させるのだ?発情しても我慢させるのと手術して発情しなくするのといったいぽぽこにとってどっちがよかったんだろうか。ぽぽこの大きな傷をみるたびに考えてしまう。
ぽぽこが来る前、子供たちはいろんな種類を挙げて、どんな犬を飼おうか、あれがいい、これがいい、と口々に言った。だけど、引き取り手がなかなか見つからない犬がいるのも事実だ。そういう 犬をひきとってあげたい。私の考えに子供も賛成してくれた。私が子供の頃、友達の家でよく子犬が産まれた。その度にお父さんは大きな袋に子犬を入れて川に捨てにいった。野良犬を造ってはいけないという配慮だったのだろうけれど、とても悲しかった。このことは子供にも言えなかったが、迷い犬だったぽぽこを飼うのは川に流されたたくさんの子犬への贖罪なのかもしれない。日本では犬を飼っていなかったし、住宅事情からして飼える状態ではなかったから、よく解らないけれど、アメリカでは避妊・去勢手術がよく行われる。自治体によっては登録の費用が避妊・去勢しているとグッと安くなるし、1)性格がおとなしくなる。2)ある種の病気が防げる。が、大きなメリットだ。子孫を残せるのはごく一部の性格の良い、純粋種だけなのである。ぽぽこのような雑種はいくら性格が良くても子犬の引き取り手はなかなか見つからない。
そう言えば私が子供の頃、スピッツばかり目についた時期があったっけ。人間好みの犬だけが増やされる。とても不自然だ。
「人間はすべての生物の支配者として造られた。すべての生物の数をコントロールする義務がある。」聖書講座の先生は言った。何と虚しい響であろうか。