アフター・クリスマス・セール



 作り物のツリーを買いたい、と私は思った。今年は生の木を買ったけれど、木は1年でツリーになるほど育つわけではない。また生の木を買うのなら、今年植えた木が育ってからにしないといけないんじゃないかなあ。それに、リビングルームに蟻が見つかってね、それも3匹。手を這われて、あたしゃ今、そこに水泡ができて困っているのよ。チクッとしたわけでもないのに、ひどいアレルギー。で、その蟻はやっぱり木についていたんだと思うのよ。生の木は豪華でほのかにいい香りがして、とても清々しいものなんだけれど、来年は作り物のツリーにしたい。それにはクリスマス後のクリアランス・セールがねらい目に違いない。なのに、おとうは「そーゆーみっともない真似はよせ!」と言った。何がみっともないんだかわからないが、「貧乏臭い」と言うのである。それでも、ちょっと下見にKマートに行った。

クリスマスコーナーには人が大勢いる。ろうそくを持ったサンタクロースの人形は大人気である。ちなみに20日までクリスマス用品は25%オフだった。それから24日までは33%オフになり、今では50%。それじゃあ、あと何日か待つと70%オフくらいになるんだろうか?でも、それまで待っていたら、売り切れてしまうだろうなあ。そんな事を考えていたら、おとうが「あのオジサンはなにやってんだ?」とささやいた。飾ってあったツリーを分解している。チーが「しまってるのよ」と言ったが、はて?あのオジサンはどう見ても店員ではない。業者でもない。近くへ行くと7―8才の女の子やオバサンも一緒にツリーを分解してダンボールにしまっている。横にはおばあちゃん。オバサンとおばあちゃんには見覚えがある。さっき、店員に何かを聞いていてのだ。店員は「展示品も50%にしかなりません。」と答えていた。多分展示品で、箱もないし、だからもっと安くしてくれ、と聞いたに違いない。少ししか残っていないけれど、リボンやモールも一緒に詰め込んでいる。「飾りの分だけ明らかにお買い得なのよ!」私が言うと、おとうは「だからって、自分でダンボールに詰めて買うってえのか?すんげえ根性だな!」とビックリしている。 この日結局「車に載らないから」とおとうは家に帰ってからもう一度(今度は別のKマートへ、面が割れてるからって)一人で買いに出かけた。「誰かに見られるとまずいから、暗くなってから運ぼう。」だって。


PS;アフター・クリスマスでもう一つビックリするのは、貰ったプレゼントの返品である。デパートやスーパーのカスタマー・サービスには長い行列ができる。洋服のサイズが合わなくて交換する、というケースもあるけれど、ほとんどはお金に代えてもらう。Wal-martには、返品専用のレジができて大賑わいなのよ。たくましいでしょ!?