おもちゃを買う方法   でも、財布はひとつさ!



 玩具売り場で時折、子供が親に何かをねだっているのを見かける。

 このあいだは7ー8才とおぼしき男の子が母親に欲しいおもちゃを手にして何やら一生懸命説明をしていた。私は捜し物をするふりをして男の子の熱弁に耳を傾けた。英語だからよくわからないけれど、いつから欲しいと思っていたか、どういう特徴があって、今持っているのとどこが違って、どれほど優れているか、もし買ったらどんなメリットが本人と母にあるか、・・・・・。そして最後に"Please!!!!!"男の子は必死だった。きちんとそれなりの理由を主張していた。ただぐずるのとは違った。だが、母は一言"No!"と言って幕は下りた。男の子はきっと次の機会にもっともっと立派な主張を母に聞かせるだろう。

 我が家は家族揃って片づけが下手で、「もう、おもちゃは買わない。」が基本になった。でも、欲しいものはあるらしい。最近の我ががきんちょのおもちゃねだりの新手を紹介しよう。家族の誕生日を利用するのである。6人家族だから、2カ月に1回くらいの割で誕生日がある。毎回一人ひとつずつプレゼントを渡すのがいつのまにか習いになってしまった。かおはディズニーキャラクターの縫いぐるみが欲しかった。自分のもっている縫いぐるみの「彼女」として。そこでかおは、ちーの誕生日のプレゼントと称して「彼女」を買った。(お金を出すのはおとうである。)私は聞いてしまった。かおが自分の縫いぐるみに「お前のためにお友達を買ったからね」とささやいたのを。

 もうすぐおとうの誕生日である。去年は、手作りのカードやらケーキやらでお茶を濁した。おとうは「なんにも買ってくれなかった」といつまでもぶつぶつ言った。だからがきんちょは「今年はちゃんと買おうね。」と言った。(お金を出すのはおとうである。)K-Martへ行ってがきんちょが買ったものは、1)くまのプーさんのビデオ、2)ハローウィンのロウソク、3)ライオン・キングのコンピュータ・ソフト、4)カボチャに絵を書くためのキット、5)チョコレートのお菓子。(この5は私からのプレゼントになる。もちろんお金を出すのはおとうである。)みーんな自分たちが欲しいものばっかりである。これだけ揃うとさすがのおとうも自分の誕生日がダシに使われたことに気づくだろう。

 来月は私の誕生日がある。かおはくまのプーさんの縫いぐるみが欲しいとかねがね言っていたから、それを買うに違いない、と私はふんでいる。まったくしょうのないやっちゃ!

 こんな我ががきんちょがかわいいとは思うのだけれど、冒頭の男の子のような、物事をきちんと分析し筋道たてて説明する能力はうらやましい。相手を説得してものを得る、という喜びもうちのがきんちょには知って欲しいものである。うちのがきんちょは屁理屈は上手なんだけどね。

 追記;かおかおへ、くまのプーさんはかわいいから、お母さんも大好きです。お母さんより。