電球
アメリカの家の中は、たいてい暗い。大きなリビングルームも60ワットの電球がスタンドも含めて6つというのが標準か、標準以上に明るい家である。電球は電力を食うわりに暗い。しかも、リビングルームの天井はものすごく高いのが普通だから、余計暗くなってしまう。暗いのは眼にもちろん悪い。眼鏡は日本人の特徴の一つと言われるけれど、実際に裸眼視力を比べれば、アメリカ人の方が悪いかもしれない。(コンタクトレンズを使っている人が多いのよ。)蛍光灯は、ほんのごく一部、我が家に限って言えば、台所だけ(食事をするダイニングは含まない)であった。今は、リビングルームに電球型の蛍光灯を使っていて、少し明るくなったように思う。
アメリカの電球は本当に良く切れる。リビングルームは天井が高く、電球を取り替えるのが大変だ。おとうが買った脚立だけでは届かず、その上に台を置かなくてはいけない。それでも、私にはまだ足らなくて、電球の付け替えは、高いところの苦手なおとうの仕事である。だから、少しでも寿命の長い電球を探さなくちゃいけないのよ。で、蛍光灯にしたのだ。電球は夏、ものすごく暑いし、蛍光灯の方が電気代が少したすかるしね。でも、電球型の蛍光灯を探すのって大変だったのよ。やっと見つけたと思ったら、ひびが入った粗悪品だったりして…。
先ごろ、すったもんだの末閉会した京都会議のニュースを見ておとうが言った。「アメリカの家が電球を蛍光灯に代えるだけで、だいぶ違うと思うんだけどなあ。」本当にそう思う。その日、電球型の蛍光灯を買いにLow'sに行ったら、いつのまにか電球売り場の3分の1が電球型の蛍光灯でうめられていた。後で確かめたのだけれど、今までそんなの見かけた事もなかった他のスーパーでも、売り始めたのよ。ものすごい進歩である!これからのモンダイはどれほど普及できるかだろう。単価は断然、蛍光灯の方が高くなってしまう。寿命が長いこととと電気代が安いことを考えると蛍光灯の方がいいのだが、重くなるのと、大きさがネックになるかもしれない。我が家だって、そのためにカバーをつけられず、「裸電球」状態のまま使っているのよ。ムードを大事にするこちらの人たちには考えられない事だろうなあ。
環境問題に詳しい人が言っていた。「サウスカロライナは、環境問題より経済発展を優先した街づくりをしている」と。また、「環境問題が一般的に知られていないのが大きなモンダイだ」とも。とにかく、眼のためと電気代節約のためと言って、せいぜい宣伝してみるとしよう。