クリスマス‘97



 サンクスギビングの前後から、一般家庭ではクリスマスの飾りを出し始める。サンクスギビングは「11月の第4木曜日」となっているため、年によって何日になるかはまちまちなのだ。早ければ22日だが今年は27日だった。サンクスギビングの飾りがイマイチ、バラエティーに欠ける事もあって、早い家ではサンクスギビングの前の週末にクリスマスの飾りつけを始める。

「アメリカに行ったら、でっかいクリスマスツリーを買おう!」おとうは日本にいる時こう言った。ガキンチョはおとうの言葉につられてアメリカに来たのだが、でかいツリーは今のところ買ってもらっていない。「お片づけが出来ていないから買わないんだぞ!」とは、おとうの言い分である。しかし、来年ここにいられる保証はないのだ。(いたいけど)今年はなんとかしなくっちゃ!

ここいらでツリーというとプラスティックで出来ていて、組立て式になっているものと、生の木に二分される。生の木は根が切り落とされている。クリスマスが終わると、ツリーはチップに加工されるのだと言うが、たった何週間かのために切られてしまって、もったいないことこの上ない。おとうに言わせれば、プラスティックを使う事だって、環境には良い事ないのだけれど。

私は、朝からスーパーへツリーの値段比べに走る日が続いた。ミーの幼稚園がこんな中途半端な保育時間にしなければもっと楽なのに。どうでもいいけれど、人工のツリーは値段にものすごく差がある。同じ6インチ1/2でも、17ドルからナント98ドルまでなのよ。もちろん17ドルのは枝の数が少なく足の部分もちょっと頼りないので、候補からははずさなくてはいけない。最終的にはK-martかWal-martがいいかもしれない。

と、思っているとカオが言った。「ブリッタニーのお父さんからクリスマスツリーを買おうよ!」そう言えば、ブリッタニーの家はツリーファームなのだ。「ブリッタニーのお父さんはね、売るお花やクリスマスツリーの世話を毎日しているんだよ。ツリーがね、どっちから見てもカッコよく見えるように、きれいにカットするんだよ。」カオがブリッタニーに我が家がクリスマスツリーを買うかもしれないと話したようで、ブリッタニーはある日電話をくれた。「ファームは5時半に閉まるの。木は1本10ドルから15ドルだって。」こうなると買わない訳にはいかないんじゃないかなあ。

一生に一度くらいは生の木でクリスマスツリーを楽しむのもいい経験になるかもしれない。こうして我が家はクリスマスの準備をすることになった。