安かろう、悪かろう?
ある記事の中で「イトーヨーカドーがWal-martと業務提携をして、いくつかの商品を輸入したがほとんど売れなかった。」と書かれているのを読んだことがある。その商品はケチャップ、写真立て、ジャム、クッキー、電球、タオル、文房具など。
何を基準にこれらの商品を輸入したのかはっきりとは書いてないけれど、日本に比べて「安い」ということが判断の材料になり、そして、ほとんど値段のことしか考慮されなかったのだろう。消費者にそっぽを向かれた理由はケチャップが1リットル近い大容量であること、ジャムやクッキーは甘すぎたこと、写真立ては裏がホチキスで止めてあったりして粗悪品だと思われたにちがいないことなどをあげていた。
私はWal-martを頻繁に利用する。この間はちーのコーデュロイのオーバーオールを買ったし、ディズニーのビデオや、そうそうハローウィングッズも買ったっけ。子供たちの靴下や下着もWal-martで調達している。これらに関して言えば、履き心地が悪いし、傷みは早いし、仕方なく使っているのよ。たいていの物の「製品としての完成度」は、日本の方がはるかに優れているのだ。
こっちのケチャップの使い方はものすごい。マクドナルドでもバーガーキングでもケチャップをくれと言えば小さなパックをごっそりわしづかみにしてくれるのだ。あまりにケチャップを使うのにビックリして、そのことを知人に言ったら、「だけど日本人はこーんなデカイ醤油のパックを買うんだろう?」と1リットルくらいの大きさに手を広げて答えた。所変わればってヤツですかね。
ジャムやクッキーが甘いのは、味見をしてみりゃわかるでしょう。私はもっぱら手作りよ。ケーキミックスだって何だって恐ろしく安いけれど、味や匂いには妥協できる限度があるってものよ。
写真立てはこっちじゃ質より量ってところかな?それだって表から見ればさほど悪くはない。だいたい写真立てを見るんじゃなくて入っている写真を見るんだもの。
文房具はホールダーなど、結構いいなあと思うものがある。でも、ノートにしてもサイズが日本とは違うし、ルーズリーフでも穴の数が違う。だから日本では売れっこない。
イトーヨーカドーでWal-martの電球を買った人には同情するなあ。だって、すぐに切れたはずだもの。我がリビングルームの高い天井の電球を替えるのはとても大変なのよ。だから、「ケチ」と言われてもおかしくない、あのおとうでさえ、とても高価な、でも多少なりとも長持ちする電球を選んで買っているくらいなのよ。
一つ一つとりあげればキリがないけれど、イトーヨーカドーの選択が生活感覚の欠けたものであったことは否めない。こんなのちょっと調べりゃわかるはずよ!もっとも日本人の高級志向がどんどん物の値段を上げていることを忘れちゃいけないと思う。もう少し、安い品物で間に合うことがあるはずよ。だって、アメリカで暮していても何も不都合は感じないもの!