ハローウィンが終わった
どうしてこんな面白いお祭りができたんだかわからないけれど、お菓子をごっそり買い込んで、かわいいお化けたちを待つのが私は好きである。ミス・ケイに日本で死者についてのお祭りといえば「お盆」だという話をした。盆踊りを説明したのだけれど、きっと実物とは大違いのDance Partyを想像していることだろう。
今年のハローウィンは残念なことながら、雨降りだった。軽く食事をしてがきんちょがコスチュームに着替えていると早くもチャイムが鳴る。がきんちょも今年はおとうの付き添いで5時45分Trick or Treatingに出かけた。まもなく大家のリンが息子のクリスと友達を連れてやってきた。我が家の回りだけを見ると門灯を点けている家は少ない。家の中が明るくても外に電気が点いていないとTrick or Treatingに行ってはいけないことになっている。
今年は子供の数が少ない。雨にたたられてしまって、教会のインドアでできるパーティーに流れたかもしれない。金曜の夜だから、親戚中集まってパーティーをしているのかもしれない。例年(といっても2年だけど)お菓子を貰うのに行列ができるのに今年はまばらだ。でもいちいち家に入っている暇はないからポーチにいることにした。マスクをつけていたり、裾を引き摺りそうな衣装が多いので、足元が危ない。小さな子や危なっかしいヤツの場合は階段の下まで降りてやらねばならない。
「窓の飾りが最高だよ!」「リボンをしたラットは始めて見たよ。」「キットカット大好きなんだ!」たまには何も言わずに袋を出すだけの恥ずかしがりやもいるけれど、思い思いの扮装をしたがきんちょはたいてい陽気である。私からお菓子を受け取ると親のそばに走って行って「かおる、かおる、かおる!」と絶叫した男の子。あれは誰だったのか。私に"Me, me, me, Liz!"と叫んだ女の子がいた。顔に見覚えはないのだが、母親の方に振り向いて"Me, Izumi's Mother!"と言ったので、やっとわかった。みーのクラスメートなのだ。彼女は自分のことをMeと言ったのだはなくみーのことを言ったのである。ややこしい名前を付けたのは誰だ!
中には「エクゾチックダンサー」かと思わせる衣装を着た女の子がいた。4―5才だと思うのだけれど、お化粧もばっちり、かつらもセクシーで、ビックリしてしまった。大人の趣味や価値観で大人のように飾られているこの子供を見て、 もう半年くらい前になるだろうか、子供のミス・アメリカ(日本で言う美少女コンテストか?)が殺されると言う痛ましい事件が起きたのを思い出してしまった。
子供のお祭りには違いないのだが、たまには中学生もやってくる。集団で恐ろしい扮装をしてくると、さすがに迫力がある。でも、私があげたのがキットカットだったのを知って"Yes!!"と飛び上がって喜ぶところなんぞは実に可愛いと思うのよ。
ウチのがきんちょは100軒ほどを回ってそれぞれバケツいっぱいのお菓子を集めてきた。我が家に立ち寄った子供は予想の半数の150人ほどだった。ちょっとさみしい。でも、私がお菓子を配った時の話をするとがきんちょは声を揃えていった。「来年は私もお母さんと一緒に配る!」貰いに行くのも配るのもどちらもとっても楽しいのよ。一緒にできるといいのにね。