風船
日曜日の午後、Wal-Martへ家族総出ででかけた。おとうの誕生日を1週間後に控え、ヘリウムガスのタンクを買いに行ったのだ。こっちでは誕生日に風船は欠かせないもので、郵便受けにたくさんの風船をつけておくとそれが客にとって良い目印になる。表札のないアメリカではパーティーに呼ばれても住所だけが頼りで、初めて訪問する家の場合は風船があるとないとではチャイムを押す時の気分が随分違うのだ。我が家の場合は間違い電話も多いけれど、実際間違って訪問されることも少なくない。(何年か前バトンルージュでハローウィンのパーティーに呼ばれて、仮装した日本人留学生が家を間違って射殺されるという痛ましい事件があった。。家を間違わないのが鉄則なのだけれど、そのために住所と家の特徴(何色か、平屋か2階建てかなど)を聞いておくのがいいだろう。)
おとうの誕生日の場合は特に誰かを招待するという訳ではない。したがって、郵便受けに風船を飾る予定はないのだが、「誕生日に風船がなくてどーするんだ!」とおとう。最近いろんなスーパーでヘリウムタンクを見かけ、思ったほど高くなかったのだそうだ。2週間も前からプリンターでバナー(クマのプーさんの絵と"Happy Birthday, Dad!"を印刷した横断幕よ!)をがきんちょに作らせて、飾っているおとうのことだから仕方なく付き合うことにしよう。
タンクはデッキに出しっぱなしのバーベキューコンロのプロパンガスボンベに色や形がそっくりである。がきんちょはそんな恐ろしげなものを家の中に置いておくことが不安な様子で、「火事にならない?」と聞く。ちょうど今、Fire Safetyの勉強をしているところで、それでなくても火災報知器がどうの、消火器がどうの、避難場所がどうの、果ては「コンロにフライパンを置いたら、取っ手は向こう側に向けなきゃいけないのよ。」などとうるさいのである。サイエンス担当のおとうが「ヘリウムは燃えない」と説明して、とにかく黙らせる。試しに1個風船をふくらませてみる。みーはご機嫌である。
おとうの誕生日の後にはすぐにハローウィン、そして私の誕生日、サンクスギビング、のんの誕生日にクリスマスと立て続けなのだ。あのタンク1個でいったいいくつ風船が膨らませるのだろう。そう考えていたら、かおが真剣な顔で「かおかおの誕生日までになくなっちゃうんじゃないかなあ。」とつぶやいた。なくなったらまた買おう!そう言うと、がきんちょは「大人の方が本気になってるー!」とはしゃいで言った。
PS;英語で風船は確かにバルーンなのだけれど、初めて生の英語で聞いた時ブルーとしか聞こえなかった。グローサリーでレジの人がウチのがきんちょに何かをくれると言っていたのだが、それがバルーンだと気づくまでにだいぶ手間取ってしまった。発音する時もバよりもブと言った方が通じるのよ。