早く来い来い、ハローウィン!
2年前のハローウィンの日、幼稚園でお化けのパズルを見ておお泣きしたのんは、先生がなだめても何をしても泣き止まず、(いやいや行ってた幼稚園で泣き始めたんだもの、たまりに溜まったものが吹き出して簡単には泣き止むはずないでしょう。)ESLの授業を受けていたちーとかおの部屋に連れていかれたそうだ。お迎えの時には一応泣き止んで、先生から顛末を聞かされた。「パズルは仕舞いました。もう出さないから大丈夫だとのんに伝えてください。」ミセス・スミスは言った。でも、のんが泣いたために仕舞われたら、それで遊びたかった子がかわいそうだし、年にチョコっとしか出してもらえないパズルはもっと哀れだ。家に戻ってからのんと話をした。そして、ちーとかおのお迎えの時、K-4のクラスに行ってそのパズルを見せてもらった。もちろんそれはそんなに恐いものではなかった。のんも「もう恐くない。仕舞わなくて良い。」と言った。その日、何事もなかったかのように私たちは"Trick or Treat?"にでかけた。お菓子をどっさり集めて家に着くとのんは言った。「明日は幼稚園に行かないからね。」そしてそれが頑固なのんの登園拒否の始まりだったのだ。
さて、10月に入って、みーを迎えに行ったら、ミセス・スミスが「今日、ハローウィンの飾り付けをはじめたおうちはありませんかってみんなにたずねたら、みーが手を上げて話をしてくれたんですよ。今朝、リースをドアに飾ったそうですね!」と言った。私は2年前のことを覚えているかと聞いてみた。「忘れるもんですか!のんは環境に慣れていなかったのよ。みーは英語もわかっているし、きっとだいじょうぶよ。」とミセス・スミスは答えた。みーは血を流した化け物などおどろおどろしいものは怖がるが、骸骨やコウモリの飾りは怖がらない。大きな骸骨を「可愛い」というくらいだ。今朝、その大きな骸骨をさげるのに邪魔だったテラスのくもの巣を払った。しばらく寄ってこないように殺虫剤を撒いたのだが、みーは「ポンキチ、ごめんね。ちょっとじゃまなのよ。」と言った。どうでもいいけど、蜘蛛に名前をつけるのはよしとくれ!かおが欲しいと大騒ぎをしたネズミの置物は歯をむき出して恐ろしい形相だ。みーは最初ビビッていたのだが、かおはネズミ欲しさに何と言って丸め込んだのか知らないけれど、20秒ほどするとみーはそのネズミを抱きしめて頬ずりをしていた。
今年のリースはかぼちゃやコーンの作り物をくっつけ、かかしの人形、小さな骸骨や蜘蛛を茶色や黄色の葉っぱと一緒に飾り付けた。そして、リースの真ん中にパイル地でできたクマに怪傑ゾロよろしく、マスクとマントをつけたのを下げた。我ながらかわいくて、毎日ドアを見てはニヤニヤしている。それを見てちーとかおもリースを作りたいと騒ぎ始めた。
今年のハローウィンはまだまだこれからなのよ。この2年間のがきんちょたちの成長を考えては、ハローウィンを心待ちにしているこの頃である。