バスケットのゴール
近所を散歩していて目につくのはバスケットのゴールである。アメリカのテレビドラマでもおなじみだと思うが、フロントヤードのカーポートにバスケットのゴールがあるのだ。ミドルスクールに行くくらいの男の子のいるウチには必ずと言って良いくらい見かける。私も欲しかったのよ。おとうは「学校のグラウンドにいきゃーいい。」と言ってずっと取り合ってくれなかった。確かに学校にいきゃーあるけれど、がきんちょを連れて、たいていぽぽこも連れて行ったって、私が遊ぶ暇なんてないのよ。
買う気なんてさらさらないと思っていたおとうだが、ある日WAL-MARTで見た箱に入ったゴールが考えていたほどでかくないと知って、急に買うと言い出した。「運ぶのに大人二人は必要だし、がきんちょがいると邪魔だから、がきんちょが補習校に行っている間に買おう!」というのだ。
バスケットのゴールには埋め込み式と可動式がある。あわよくば日本に持って帰ろうと、我が家では可動式を買うことにした。台の中に砂か水を入れて重しにする。よそのウチではさらにその上にブロックを置いたりしている。本当はよそのウチのようにフロントヤードに置きたかったのだけれど、猪突猛進タイプののんやちょこまかうろちょろするみーを考えたら、危なくって危なくって。がきんちょは「ボールがバウンスしない!」と文句を言ったけれど、バックヤードに置くことにした。
日本語の説明書だったら、多分先に一通り読んでから組み立てはじめると思う。でも、説明書は英語なのだ。だから、どうしても要領が悪くなる。ページをめくるたびに新しい展開になって、「このネジこんなに締めなきゃ良かったんだ!ゆるめるぞ!」てなことになる。最後のページには電動ドリルで穴をあけるってなことまで出てきたから、ホントにビックリしてしまった。(電動ドリルを持ってないおとうは手動ドリルであけたのよ。偉い!)
組み立てていると「ネットつけようよ!」とがきんちょがいう。「ネットなんて最後の最後!」とおとう。「だってきっとお父さん面倒だからとかナントカ言って、つけずにいるに決まってるもん。そんなのカッコ悪いよ!だから、今のうちにつけておいてよ。」とがきんちょ。がきんちょの洞察力にはほとほと感心してしまう。幾多の困難を乗り越えて組み立てられたゴールはブランコセットのそばにネットなしのまま置かれたのだった。