みー、学校へ行く その2



 いよいよみーの幼稚園が始まった。毎日「早くのんのお迎えにいこうよ!」と催促されっぱなしだったので、少々ほっとしている。

思えばちーが生まれて10年以上、私はがきんちょと一緒だったのだ。ずっとずっと、誰かしら私のそばにいた。たった2時間半とはいえ、私はがきんちょなしにいる時間と空間を持つことになるのだ。学校の先生たちが口々にたずねる。「ねえ、なにするの?」本当に、何しよう。普段は見られないR指定の映画をビデオに撮って観るのもいい、涼しくなってきたからぽぽこと散歩もいい、エクササイズもしなくっちゃ。

朝、6時40分にみんなを起こす。いつもはまだ寝ているみーがサササッとおきて着替えを出す。今日はちょっとおしゃれなブラウスにスカートだ。「特別の日」という意識があるらしい。11時ころ、みーに軽く食事を出す。11時20分、新しい「くまのプーさん」のバッグを背負っていよいよ出発。廊下では1年生の先生たちが立ち話をしていた。みーの姿をみると、「まあ、大きくなったのね、みー」などと声をかけられる。ミセス・デイはわざわざのんを呼んでくれた。のんとみーは満面の笑顔で手を振った。K-4のクラスでは不安そうな子や、きょとんとした子、そしてやはり不安そうな親がウロウロしていた。こっちは4児の母。余裕を見せ付けてひきあげる。

家へ戻るとまもなくおとうがお昼ご飯を食べに帰ってきた。せっかくの自由時間も半分近くはこれでパーなのだ!でも、我が家で唯一現金収入を得ているおとうをぞんざいに扱う訳にはいかない。おとうが会社へ戻ってから、ちょこっとR指定のビデオを観て、もうお迎えの時間。不完全燃焼は否めない。おまけに学校のドアのそばで蟻にかまれてしまった。でも、ニコニコ顔のみーを見たらそんなやーな気分、一遍に吹き飛んじゃった!やっぱいいなあ!我が子の笑顔は!