それでも車は動くのさ
おとうは「バッテリーが悪いのかもしれないなー」と言って、レガシーのバッテリーを替えた。新しいバッテリーはさすがに違う!私がエンジンをかけると思いっきり気持ちよくかかった。「ひとまず、これで様子を見よう。」おとうは言った。バッテリーが問題かどうかはしばらく走ってみなくちゃわからないんだそうな。「充電が問題だったらエアコンをつけて走れば走るほど調子が落ちるし、放電するのなら土日に乗らずにいると月曜日に調子が悪くなってるだろうし…。」何でもいいけど、ちょっとのんきすぎない?
毎朝、ドキドキしながらエンジンをかける。心なしか「ぴかぴかのバッテリー」という印象が持てなくなってきているような気がする。おとうもやはりイマイチ調子が出ないという。「アイドリングがおかしい。しょうがねえなあ、アポイントとるか。」おとうは高速を30分ぶっ飛ばしたところにある「すばる」の代理店に電話をした。
約束の木曜日、朝7時20分にテスト期間中で休みののんとまだ幼稚園のはじまらないみーを連れて2台車を連ねて高速を飛ばす。ラッシュアワーなので55マイルほどで(というと時速90キロくらいになるというのに、)牽引しているみたいに数珠つなぎに走る。おとうの通勤に高速を使わずに済んでいるのが心の底からうれしく思えた。レガシーを「すばる」においておとうを会社に落として、家に帰る。お昼にはおとうを会社へ迎えに行って、食事を済ませてまた会社へ。妻は頑張っているぞ!
その日のんのクラスのオープンハウスがあったので、おとうは台湾出身の同僚に「すばる」まで乗せて行ってもらって、レガシーを取ってきた。「どこが悪かったの?」とたずねた。「どこも悪くないと。アイドリングをちょっと高めに調節しといたって。お金は要らないよって。」
修理屋サンのウデを心から信じている訳じゃないみたいだけれど、今日もおとうはレガシーを運転しているのだった。