芝刈り・ローンエッジャー
フロントヤードの芝が、道路やカーポートに伸びてきてみっともない。最初の年は私が熱射病寸前になりながら鋏で切った。去年は「もう鋏はいやだ!」という妻の声を聞いて、おとうが足で踏んで切るヤツを買ってきた。これはお好み焼きのへらを巨大にしたような形で、思ったほど楽ではない。毎日こつこつ続けても遅々として進まず、しかも靴の底が十分な厚さでなかったため、私は足の裏をいためてしまった。「今年はもう少し考えて欲しい!」私はおとうに懇願した。
実はたいていのウチで使っているのは、エッジカッターとかローンエッジャーと呼ばれている優れもので、電動式は60ドルくらいから、ガソリン式は100ドルほどで売られている。おとうは1年に1度か2度しか使わないのに買う必要はないと言う。でも、妻を熱射病にしたり、痛い目にあわせていいはずがないのだ!で、おとうはレンタルですますことを考えついた。ちょうどレンタル屋のクーポンがダイレクトメールに入っていた。住所と電話番号が書いてある。「電話して営業時間と一日いくらかを聞いといてくれ。」おとうはそう言うと会社へ行ってしまった。最近おとうはなんかってーとこの手で逃げるのだ。
電話で聞いたところによると、ローンエッジャーなるものが置いてあって、1日25ドルで貸してくれるそうな。それを聞いたおとうは「1時間当たりだといくらで貸してくれるんだ?電動か?ガスか?…。」としつこい。詳しく知りたきゃ自分で聞いてよ!
いよいよおとうの出番だ。電話でローンエッジャーと刃を2時間借りる予約を取った。新聞でもテレビのウェザーチャンネルでも天気は嫌というほど確認済みだ。「蒸し暑い!」とあったけれど、雨の心配はない。
おとうはスバル・レガシーの後部座席をたたんで朝8時に店に着くように家を出た。8時半頃帰ってきて、早速始める。近所でよく見かける肩から下げるタイプではなく、手押し車タイプだ。ものすごい音と砂埃、コンクリートや石に当たると火花が散る。おー、こわ!おとうがなにかを言っている。聞こえないので近づこうとすると小さな石が飛んできて痛い。こまめに手入れをしていなかったから芝が太くなってしまってよく切れないようだ。おとうが切った後から足踏み式の巨大へらで駄目押しをする。みっちり1時間半。おとうは時計と睨めっこをしてローンエッジャーを返しに行った。
後片付けまでみっちり3時間。だいぶすっきりはしたものの、ほとんど熱射病状態の私はフラフラ。おとうは久々の腰痛。こまめの手入れが大事とつくづく思い知らされた時間でもあった。
ちなみに2時間のレンタル料は10ドル。刃は買い取りで3ドル。しめて13ドルだったそうな。それとたいていのウチでは切った芝を吹き飛ばす機械もあるのよ。箒でかき集めてるのは見たことがないなー。我が家は「人力」中心。だから、せめて、もう少しでいいから大切に扱ってちょうだいよ、とんちゃん!