ショットは恐いのよ!その4
ミセス・スミスの手紙から1週間ほどたって、いよいよショットの日が来た。「行くのヤダ。」しかたなくだっこして車に乗せる。予約の15分前につく。名前や住所や社会保障番号を書いて待つこと20分。今日受けるショットの注意書きを渡される。3種混合とポリオだ。MMRはない。やったー!会社を抜けておとうがやってきた。(ちーが「父親なんだから来るべきよ!」と言ったんだそうな。)ナースが誰かの名前を呼ぶ。おとうが聞き返す。???おとうが「いずみ?」と聞くとナースは「うーん、そう」いつもこの保健所はこうなのよ。
ナースと一緒に部屋へ行く。"How are you?"というナースにみーは"Fine."と震えた声で答える。ちっともFineに思えないけど…。ナースはペラペラ何か言っている。だんだん早口になる。何?今日はよく遊べ?いつもより暴れろ?notを聞き漏らしたのかな?うんにゃ、本当によく遊べと言っている。プールで遊べ?プールで遊べなかったら、お風呂でバシャバシャ遊ぶといいって?その方がワクチンがよく効くって?後でおとうに言うと「冗談じゃねえ!おとなしくさせとけよな。」おとうは聞いてなかったんかいな?去年まではショットの翌日39度前後の熱が出たけれど、それでも遊べって言うのかな?で、ポリオを飲んでいよいよショット。太ももを押さえられる。いつもなら大暴れのみーはおとなしくしている。針が刺さった瞬間、みーの身体は硬直し、泣き声があがる。シールをもらって、マクドナルドのポテトの券をどういうわけか4人みんなもらって帰る。1年前とは大違い。ほかのがきんちょもみーの成長ぶりにビックリしている。感激のあまり、みーにあげるんだとか言って自動販売機でお菓子を買いはじめた。
みーがたずねる。「学校へ行ったらまた注射するの?」ううん、もうこれでおしまい。学校へ行けるよ。みーは私の首にしがみついてささやいた。「よかったー。おうちに帰ったらおまる出してね。」
家に帰って早速おまるを引っ張り出した。「これ、だーい好きだったんだ!」おかしなものが好きな子である。とにかく、おまるでおしっこをしてご機嫌になった。遊びたがるみーにおとなしくするように言うと、ちーとかおが「どうして?いっぱい遊べって看護婦さんが言ってたじゃない!」という。3種混合もポリオも姉たちより余分に受けたのだから、もういいの!予防接種の記録表を見せて説明した。みーの飲み残しのジュースをうっかり飲んだおとうは慌てて口をゆすぎに行く。おとうはポリオを受けてないのかな?"覚えてねーよ。そんなこと。#注意書きには確かにワクチンを受けていない人は大人も含めてキスをしたりしないように、本当のポリオにかかってしまうかもしれないから、と書いてあったのだ。
みーが突然泣き出した。「お人形買ってないよー!」大丈夫、忘れたわけじゃないって、注射のところが痛くなくなったら、買いに行こうね。どうでもいいけど、よく覚えているね、みーは。
夕方少し熱が出る。食欲もない。ショットを受けたところが腫れて痛そうだ。でも、いつもよりまめにトイレには行く。「ねえ、うXXはしちゃだめ?」いいよいいよ、なんでもしとくれ。みーは大喜びだ。それにしても、おまるの魅力って何なんだろう?