散髪は惨髪?



おとうは月1回のペースで床屋に行く。本来床屋は嫌いであるが、長い髪は洗うのもめんどくさいし、髪が肌に触れると痒くてならん、ということで、散髪のペースは保たれている。

前回一時帰国の前に行った時、はっきりいって失敗だった。どう失敗だったかというと、カットして来た日に私が「床屋サンにはいつ行くの?」とたずねるほど、切れてなかったのだ。仕方なく$襟足の方だけ私が恐る恐るカットした!で、今度は短めにしたいとおとうは思ったに違いない!

その日、おとうは昼ご飯を食べると「床屋に行くかなー」と1ドル割引のクーポンを持って会社に戻った!我が家では夕食は6時で、1分でも遅れようものならおとうに「まだか、まだか、飯はまだか」とうるさく言われる。ところがおとうは帰ってこない。6時半まで待って、先に食べはじめることにした。がきんちょが言う。「ワインを買いに行ったんじゃないかな」(おとうは4年ほどの禁酒生活にいよいよピリオドをうつらしい)「ことやサンにいったんだよ」(とこやといえないヤツがいる)「わかった。床屋サンでドングリカットにされて恥ずかしくなって帰ってこられないんだ!」

ドングリカットは眉の上ほどの長さの前髪から後ろもぐるっと同じ長さに揃え、下の方は刈り上げてあるヘアスタイルだ。帽子をかぶったドングリそのままの格好なのだ。ここいらの男の子に流行っているのよ。男の子の半数がこの髪型。大人にも珍しくはない。が、おとうの同僚、台湾出身のH氏は不本意にもドングリカットにされ、その日のうちに夫人にカットし直してもらったそうな。がきんちょはおとうのドングリは見たくないと大合唱。

おとうが帰って来たのは7時を回ったころだった。ドアを開けて顔を出したところでがきんちょの悲鳴が聞こえた。そして大爆笑。ドングリではなかったけれど、超短髪。今まで見たこともなかった顔になっている。おとうが近づく。大爆笑は限りなくでかくなる。おとうはさらに近づく。みーはついに「ぎゃー!!!」とおお泣き。なにも泣かなくてもいいじゃないのと思うけれど、みーは「恐かった」んだそうな。久々に大ウケの散髪であった。

翌朝、ハリネズミのようになるわけでもなく、見慣れればすっきりして若返ったように見えないことはない。でも、床屋の後で毎回「ちょっとここんとこ、切ってくんない?」と言うのはやめてほしいんだけどなあ。


今回おとうが超短髪になったのは「トップの髪をどうするか」と聞かれた時の答えが悪かったからだそうだ。おとうは「2インチ切って欲しい」と言う意味で「2インチ」と言い、美容師サンは「2インチ長さに残す。」という意味で「2インチ」と言ったということのようだ。おとうは次回から「2インチOFF」としっかり言うに違いない。