芝刈り決死隊
私の実家のある町内では空き地に芝を植えたんだそうである。母はある日曜日の朝、芝の間に生えた雑草とりに駆り出された。 「朝6時に始めて2時間かかったのよ。一気に2kg体重が減った!いい汗かいたわー!」と喜んでいる。もっともこれは脂肪が燃えて減ったわけではないので、水分を補給すればほとんどモトに戻ってしまう。母もすぐそれに気づいてがっかりしていたけれど。
さて母は雑草とりがいかに大変か話してくれた。そう大変なの。我が家はフロントヤードもバックヤードも芝なのよ。おとうは雑草とりはしてくれないのよ。いっちゃー悪いけれど、母が格闘した面積より我が家の庭の方が広いのよ。持ってる者ははつらいのよ。借り物だけどね。
引っ越した年は芝の間の雑草が多くて私は熱射病寸前まで頑張る日々が続いた。(家主のリンは庭の手入れが大嫌いでほとんどしたことがナイと言っていた。だから本当にものすごかった。)お向かいの奥さんからは「よくやるわねー。好きならウチのもやってよ!」と言われた。毎日ジョギングをしている人から「だいぶきれいになったわねー!」と声をかけてもらったりしたもんだ。ところが今年は怠け癖がぬけないって言うか、身体が重く感じる(感じるだけか?)って言うか、ほとんど手つかずの状態だった。芝の間の草はさほど気にならないのだけれど、生えちゃいけないところに生えた芝がものすごい。花の間にジワジワと生えている。せっかく作った畑にも進出して、大根がやられてしまいそう!で、 映画のHerculesを観てから(Twilight showで一人2ドル75セント、6人で2000円かからないのよ。)おとうが柴を刈っている間に庭の手入れをすることにした。
芝は土の中で根を張り巡らすようにしていて、思いがけないところで顔を出す。芽を出し始めたニチニチソウを抜かないように注意して芝を引っこ抜く。私はご存知のように蟻にものすごいアレルギーがあるので、ニチニチソウ以上に蟻に注意しなければいけないのだ。母に教えてあげよう。生えちゃいけないところの芝むしりは、芝の間の雑草とりにも負けないくらい大変だと。
おとうの芝刈りはみっちり1時間半。おとうのシャツは汗でべっちょり。こりゃ2kg減ったかも。なんて考えていたらおとうが言った。「おい、飯!」え?慌てて家の中に入るとちーとかおが眠そうに言った。「ねえ、お腹がすいちゃった。なにかある?」 映画館でポップコーンをたらふく食べた私はお腹がいっぱいで、すっかり夕飯のことを忘れていたのだった。ちーとかおはぶどうパンを齧って我慢してくれた。(のんとみーはとっくに寝てしまっていた。)芝刈りで夏バテ状態のおとうと私は結局何も食べなかった。こりゃ健康に悪いって!