台所通信5 ちょっぴりほろにがーいブラウニー
ブラウニーを作った。そう言えばこのところケーキを焼いていなかった。クリームパンやチョコパンを作っていたのがケーキ作りから遠ざかっていた第一の理由である。
ある日、学校のランチメニューをにらみつけていたのんが「ブラウニーって何?」と聞いた。「くるみの入ったチョコレートケーキよ」と正直に答えた。「ずるい!ちっちとかおかおはずるい!このあいだはシャーベットだった!ずるい!のんのんも食べたい!絶対食べる!今すぐ食べる!ケーキちょうだい!」とまあこんな具合にのんはぷっつんしてしまった。こういう時は手がぽかぽかと暖かくて、眠いに決まっている。でもランチメニューを見るたびにフルデイ・プログラムに入り損ねた恨みが顔を出すのは、学校のランチがハンバーグやピザにアイスやケーキのデザートという構成になっているせいである。「よし!ブラウニーを作ろう!」母の声に元気を出したのんは外へ遊びに行ってしまった。
家にあった製菓用のチョコレートを使うことにする。アメリカのチョコレートは日本のに比べて甘さも苦みも強い。チョコレートは80グラムくらいにしよう。だいたい私は計量をしない。粉をふるうこともしない。面倒なことは一切省く。いい加減なヤツである。砂糖も80グラムくらいかな?マーガリンは100グラム、粉は120グラムくらいで卵は3つにしよう。最近は子供がケーキを作っていたから、私にとってはずいぶん久しぶりのケーキ作りである。ブラウニーにつきもののクルミは無いので、リンゴを入れることにする。このリンゴは昨日かおが学校でもらってきたものだ。いま、リンゴの勉強をしているとかで、すんごく小さいのを「おじい」と名づけて持って帰ってきた。「家族みんなで食べたい」と言われてもとにかく小さい。だから、細かく刻んで「おじいブラウニー」にしてしまえ!速いのがとりえなので10分くらいでオーブンにいれられた。(最近かおはなんにでも「おじい」と名前を付ける。縫いぐるみのくまにも「おじい」と付けた。大好きなじいじいがびっくりしたときの顔に似ているんだとか。このリンゴはじいじいのどういうところに似ているというんだ?)
のんとみーが戻ってきた。「ケーキ、作ろう!」
・・・・・・もう、作っちゃったよ、オーブンに入れたとこ・・・・・。
「やだーーーーーー!のんのんが作るの!」「だめよ!みーもん、作るんだよーーーーー!」
食べたいって言っただけでしょーが!作りたいって言わなかったでしょー!といっても、収拾がつかなくなってしまった。えーーーい!めんどくさいやっちゃなあ!
「わかった。作ろう。そのかわり今度作るのは明日の分ね。」
母と娘達はあらためてチーズケーキを作ったのでした。ちーとかおが「つくりたい」って言っても今日はもうやだヨー!
追記;私の作ったブラウニーは少し苦かった。あれ以上チョコレートを減らすと色が冴えなくなってしまうし、やはりもう少し砂糖をいれるといいのかも知れない。チーズケーキの方はすごくおいしかった!「チーズケーキ屋さんになれるよ」と子供たちがほめてくれた!ヤッホー!