Ant Bites



このホームページを長いことお読みの方は「またか」と思われることでしょう。はい、またなのよ。また蟻にやられてしまったのよ。

日本から帰ると当然のことながら庭は草ぼうぼうになっていた。翌日、日が暮れてからおとうは芝刈りをした。私は邪魔なものを(ぽぽこのうXXもね)片づけたり、蟻の巣に薬を撒いたりしていた。春に種を蒔いた大根をながめていたら、おとうが「あー!」と叫んだ。すねを押さえている。それと同時に私も足にチクっとやられてしまったのよ。靴下を履いていたってだめな時はだめなのよ。靴下にへばりついてね、脱ごうとした時にパッと飛び移るのよ。で、2個所。

翌朝、おとうが私の足を見て言った。「なんだ。どこを噛まれたかわからないじゃないか。」素人は困るよね。これからがミモノなのよ!それから1時間もしないうちに腫れて来た、腫れて来た。どんどん腫れて、おや?腫れたそばに斑点が…。その斑点がポツポツと上に続いていく。痛い、痒い、斑点は続く。ふくらはぎを出発した斑点はいつのまにかぐるっと足の付け根に到達してしまった。こりゃお手上げだ。がきんちょを連れて医者に行った。

医者は初めてみる顔。若いインド人。にこにこと愛想はいい。「最後の月経はいつでしたか?妊娠の可能性は?ない?本当に?絶対?確か?」やけにしつこい。「ないったらないの!」次に彼が聞いたのは保険のことだった。「何割くらいカバーしますか?」私が「ほとんど100%」と答えると、「全部をカバーするの?本当?そりゃ素晴らしい!」と大喜び。だから安心して早く先に進んでおくれ。「次にこんなことにならないように気をつけなくてはいけません。靴下を履いて…。」ちゃんと履いてたよ。「オーバーザカウンターにある虫除けを塗って…。」塗ってたよ。「え?それでもやられた?」そう。やられた。「じゃ、しょうがない」彼はみーに話しかける。「名前は?」「可愛い服だね」「学校に行っているの?」次はのん。たまごっちのTシャツをみて「新しいゲームかな?」バーチャルペットを知らないの?のんは本物のたまごっちを見せる。がきんちょは口々に説明をし始める。おーい、患者は私だよー!

彼は抗生物質と抗ヒスタミンの処方箋と痛み止めの塗り薬の試供品をくれた。がきんちょの期待に反してお尻の注射はなかった。

薬局で処方箋を見せると抗ヒスタミンの方を指して「これも必要ですか?」と聞かれた。そりゃ、必要だわよ。と答えたけれど、保険に入っていなかったり、入っていても全部をカバーしない時はオーバーザカウンターで間に合わせたり、我慢できるのは我慢したりするのだ。確かに、抗ヒスタミンはいつもオーバーザカウンターで買うようにいわれていたんだけれど。

噛まれたところはパンパンに腫れ上がっている。ツルンツルンになっている。痛い、痒いで立っていられない。おまけに熱まで出て来ちゃったよ。あー、あんな小さな蟻なのにねー!え?おとうはどうしたかって? 噛まれた時は痛い痛いと騒いだけれど、それっきりよ。蚊に刺されたときと変わらないんだって。私って不幸だ!