もう少しましな教育



最近、私の読む本は子供のものに限られてしまっている。その中で吉田足日と言う人の「宿題ひきうけ株式会社」と言うのがあった。

小学生たちが宿題が多いとかボスによるいじめだとか、日常の小さな出来事から自分たちで考え解決していこうとする話である。先生が子供たちに昔と今と未来について考えさせるという場面があった。考えて来たことを授業で発表させてみんなで話し合うのだ。そのほかにも子供が地図で見たグリーンランドと実際のグリーンランドの面積の違いに気がついて教室で発表したり、先生が戦争の話を自分の考えを含めて話したり…。今の学校では見られなくなってしまったであろう光景がたくさん出て来た。今の学校は勉強ばかりで、ほかのことを話す時間的余裕はないのだ。宿題にしたって、何かを考えたり、調べてそれを発表するなんてまず、ないよね。宿題はもっぱら漢字と計算なのよ。

だいたい小学校の2年生で掛け算を習う必要がどこにあるんだろうか?2年生では水のかさや時刻と時間、長さ、そして足し算と引き算は3桁を学習する。はっきり言って、ウチのがきんちょの頭ではこんな盛りだくさんなことって混乱するばかりで一つも身につきゃしない。現に3年生になったはずのかおは掛け算ができずに足し算に直して考える毎日なのだ。それだって掛け算の原理がわかっているからいいや!と甘い母は言ってあげたいくらいなのに、短時間でたくさんの計算問題をやるとなると「九九は覚えないといけないね」なんて言わなくちゃいけないのだ。

私の実生活では、計算は電卓でしているし、字を書くのも今はパソコンで、漢字もピピピででてくるのよ。がきんちょが大人になる頃にはそれが常識になってるわけで、そういう未来を見据えた学習をした方がいいんじゃないだろうか?子供が自分で疑問を持ったり、考えたり、そういう暇を奪ってはいけないのよ。仮に「教えなきゃいけないこと」を半分に減らしてみればもう少しましな教育ができると思うんだけどなあ。


新版 宿題ひきうけ株式会社 吉田足日 作 フォア文庫