首が回らない!借金はないはずだけど



一時帰国にあたって、まず問題になるのは何といっても体力である。普段、移動はもっぱら車で、足腰はなまっている。しかもスーツケースは重い。ここから空港までは車で10分だからいいけれど、日本ではそうはいかない。空港からおとうの実家とくれば気の遠くなること請け合いだ。空港から私の実家のある都市までは高速バスもあるのだけれど(去年からよ)日本のゴミゴミした道路を乱暴に運転されたらウチのがきんちょは気分が悪くなってしまう。で、電車を乗り継いで行かなきゃいけないわけ。駅って階段は多いし人も多いし歩くのは速いし、がきんちょをゾロゾロ連れて、スーツケースをゴロゴロ転がして歩くのって大変なのよ。おまけに誰かが寝てしまったら、そりゃもう悲惨な結果になってしまう。だから、体力が第一。

日本にいる時から、出張が近づくとおとうは腕立て伏せだの腹筋だのをしていた。そもそもぎっくり腰と言う輝かしい持病をもつおとうには、普段からの体力作りは欠かせないと思う。特に最近の身体のなまりかたは、通勤電車で鍛えていたころとは比較にならない。いきなり動くとまずいことになる。この予言は当たってしまった。

おとうは首の運動をしていて筋をちがえてしまったのだ。右には動くが左を向くことはできない。こういう状態では荷物もちとしては期待できないどころか、最悪、みー以上に厄介な存在と化す。付け焼き刃の体力作りがどれほど危険かの教訓ではあるけれど、困ったなあ。朝晩、必死に痛み止めの薬を擦り込むのは、けなげな妻の仕事である。