バニキュラを救え!



トロント・ナイアガラの旅行に行く前の日にバニキュラはケイラの家に引き取られた。バニキュラの面倒をみてくれるボランティアはちーとケイラをいれて9人である。が、実際連絡してみると都合が悪かったり、留守だったりで最悪ちーとケイラで面倒をみなくちゃならないかもしれない。夏休みはまだ2ヶ月半残っている。

旅行から帰ってちーがケイラに電話するとすぐにケイラはやってきた。"バニキュラがえさを食べないの。きっと病気だよ。お医者さんにみせなくっちゃ!#2ヶ月ほど前に飼っていたハムスターが続々と死んでしまったというケイラはバニキュラが心配で仕方ない様子だった。

バニキュラはケージを齧って困るからといって、ずっとえさ以外に犬用のクラッカーも与えられていた。えさにしてもどれくらいやればいいか定かではないけれど、どう考えても多すぎるほど与えられていた。肥満気味の動物が自然に食欲を落とすのは珍しいことではない。バニキュラの場合、水は飲んでいたし、新しいケージで元気に車を回していたし(夜中なのよ!)、具合が悪いという気配は感じなかった。そう言ってもケイラは納得しない。

「獣医さんに払うお金を作らなくっちゃ。」ケイラは言った。週に5ドルのお小遣いをもらっている彼女は自分のハムスターも小遣いで買ったんだそうな。クラブのキャンプでも何でも寄付を募っていくらかでも自分で稼ぐのが普通のアメリカだから、ケイラも自分でお金を作るつもりだ。「レモネードを売るわ!」そして早速粉末のレモネードと小さなテーブルをもってやってきたのだ。我がフロントヤードはがきんちょのレモネード屋に早変わりした。

やはりがきんちょのすることは間が抜けている。「すごく酸っぱいの」ちーはそういって何度も砂糖を取りに来た。店仕舞いをしてからそれが無糖のレモネードだと気づいた。「買って飲んでくれた人に謝んなさいよ!」と私は言った。お客さんはどれも近所の知った人ばかりなのだから。

「明日はどこでしようか?」がきんちょどもが相談をしている。え?まだ続けるつもりなの?「あたりまえでしょ!今日の売り上げは3ドル90セント。目標の30ドルはまだまだ遠いんだから。」ちーが生まれた時、誰かに「将来どんな子に育てたい?」と聞かれて「じゃりん子チエみたいにたくましい子!」と言った覚えがあるけれど、まさか実現するとは思わなかったなー!