70ポイント
学校中で"Accelerate reader"というプロジェクトに取り組んでいる。本を読んでそれについてのテストをコンピューターで受ける。点数によってポイントがもらえ、どんどん加算される。2年生は1年間で70ポイント以上が要求されていた。冬休み前に40ポイント取れていないとおしゃべりしながらランチが食べられる"Talking table"に座れないということで、その時かおは必死にテストを受けたようだ。
今回、年度末に70ポイント取れていないと、近くのスーパーまで歩いていく「フィールドトリップ」に参加できないことになっていた。かおに何度かたずねたが、いつも「がんばっている!」と答えるばかりだった。テストが締め切られて、初めてかおは70ポイントにいかなかったことを話してくれた。
実力がモノを言うアメリカで、ポイントが届かなかったのはどうしようもなく、本当にかおはフィールドトリップに参加できなくなったのだ。「ライアンも取れなかったって言ってたもん。フィールドトリップにいけない子も学校でゲームができるって言ってたもん」とちょっとヤケ気味にかおは言った。「どうして70ポイントにいかなかたの?」とたずねてみた。かおはその時になってやっと打ち明けてくれた。2年生の後半になって、指定された本が今までのような絵本がなくなって字ばかりの難しいチャプターブックになったのだ。かおには難しくて理解できず、テストを受けることもできなかったそうだ。
「どうして早く言ってくれなかったの?先生と相談できたのに!」私はそう言ってから、しまったと思った。きっと彼女には挫折にも似た気持ちがあったに違いないのだ。だから言わなかったのだ。彼女のそんな性格を知っているのに私はうかつだった。「来年またゼロから始めるんだって。でも、1度取った本はもう取れないんだって。読める本、もうないよ。」かおは涙をこぼして言った。「今度は先生に相談して、本を借りられるようにしよう。そしたらウチで読めるでしょ?夏休みに"Winnie the Pooh"のチャープターブックを買っていっぱい読む練習をしようね!」と元気づけた。「でも、マンレー先生がプーのチャプターブックは高いって言ってたよ。」こーゆー時、変なところに気を回さないでほしいなあ。
「70ポイント以上取れたのにブリッタニーが泣いちゃったんだよ。ポイント取らなければよかったって。そうすればフィールドトリップの間かおかおと遊べたのにって。」ポイントは取れなかったけど、そんなことを言ってくれる友達ができたんだもの、今年は大収穫だったよね、かおかお!