英語より必要なもの



 日本にいるときに勉強しておけば良かった!と思うのは何も理容・美容の技術だけではない。英語だろうって?そりゃあね、英語は出来ないより出来る方が絶対便利だけれどね、英語よりも必要なものはいっぱいあるのよ!

 たとえば・・・。実は、2年生で日本の勉強をする。で、かおの担任のミセス・マンレーから「日本のものを何か見せて欲しい」と言われていた。去年、今は日本にいるミセス・ハンソンに頼まれて、ちーに浴衣を着せたり、お弁当を作って持って行ったりしたっけ。

 日本のものって何がいいの?かおの話を参考にして、まずリストを作った。習字の道具、こけし、だるま、雛人形(親王だけのよ)、そろばん、茶碗、はんこ、折り紙・・・。この中からいくつかを持って行けばいいと思っていた。そしたら「月曜日に全部持ってきてください。クラスに展示しておきます。ほかのクラスの子供たちにも見せたいので、何日か貸してください。お菓子やお料理は金曜日に持ってきてください。」だって。(こういう大事な手紙をかおは日曜の夜に見せるのよ!ったく!)

 英語でひとつずつ簡単な説明をそえて、学校に持って行った。習字の道具の中に、1枚かおの名前を漢字とひらがなで書いて入れておいた。クラスの黒板に貼ってあるそうだ。あー!習字を習っとけば良かったナー!

 着物の本を持って行った。女の子達はきれいな写真に驚いて「着てみたい!」と言っている。ウチで試しに自分で浴衣を着てみた。帯がきれいにきまらない!あー!着つけを習っとけば良かった!ついでに、華道・茶道、お琴や三味線、踊り、おまけに空手や剣道、なんでもやっときゃあ良かったんだ。

 だけど、実際習い事って日本じゃ、ぶったまげるほどお金がかかる。私だって習いたいものはあったけれど、生活していくのがやっとだもの、出来っこない。ここで、家元制度を云々するつもりはないけれど、今のうちに何とかしないとせっかくの文化がたったひとにぎりのお金持ちのものになっちゃう。そんなの文化って言えないと思うよ。